陽謀日記

陽謀を明かします

単独犯か複数犯か 安倍元首相暗殺事件の真相を究明せよ前編~ハライター原の名作紹介オリバー・ストーン映画「JFK」

安倍元首相暗殺事件は現時点でもケネディ暗殺事件との共通点が多いです。

被害者は選挙を経た最年少大統領と戦後最年少総理大臣。おふたりとも国民的人気がありましたが、敵も少なくありませんでした。

世界中にテレビで生中継されたオープンカーによる大統領パレードも、数々のSNS動画が残された元首相による参議院選挙応援演説も、衆人環視の下、見せつけるかのような「明殺」でした。

シークレットサービスの不在と、背後がら空きという異常に手薄な警備も共通し、ケネディはパレードのルート変更、安倍さんは演説先の変更もありました。さらに、今年4月中旬にはUターンを可能にする道路改修工事により北側のガードレールエリアが撤去され、背後を通れる今回の南側のガードレールエリアのみになっていました。

第一容疑者は元海兵隊員、元海上自衛隊員で二人ともすぐに拘束されます。殺害動機や経歴も即座にメディアに流れました。そして単独犯説が主流となります。

さまざまな共通点がある中で、特に注目したいのが被害者の傷跡がどこからつけられたか、です。

安倍元首相暗殺事件では、奈良県立医大奈良県警の発表に食い違いがあります。

8日午後6時すぎ奈良県立医大会見「銃の傷は首のほぼ中央部分と、5センチほど右側の2か所にあり、体内に2発の弾丸が入ったとみられる。心臓の壁に穴が開いており、1発が心臓に達していた。左肩の前部にも傷があり、首から入った弾丸が貫通していった可能性がある」

8日午後9時半奈良県警刑事部長ら会見「検視で左肩銃創1か所、前頸部に楕円形の銃創2か所を確認。死因は司法解剖結果をもとに判断します」

9日奈良県警司法解剖結果公表「左上腕部から体内に入った銃弾が、左右の鎖骨下にある動脈を損傷したことが致命傷になった。死因は失血死だった」

※弾丸が入ったのは首からか肩からか医大と県警の見解は正反対です。

日本文化チャンネル桜の番組で近現代史研究家の林千勝さんが「右首の傷は安倍さんが振り返っていても背後の銃撃でつけることはできない」と解説していました。まったく同感ですし、首の中央に当てることすら難しいでしょう。のどから心臓へと銃弾が動いていることから、前方かつ上から下への銃撃の可能性も高いでしょう。

 

JFK」を丹念に見直してみました。オリバー・ストーン監督の1992年作。3時間25分の大作。ケビン・コスナーが演じたジム・ギャリソン地方検事は本作で真相究明調査した委員会委員長の連邦最高裁長官アール・ウォーレン役で出演するという皮肉がこめられています。

 

映画の後段がクライマックスです。CIA局員をケネディ暗殺の共謀罪として訴えたルイジアナ地方検事役のケビン・コスナーが行う最終弁論です。常識があれば、ケネディ暗殺事件は、おざなりのFBI捜査、おざなりのウォーレン委員会調査によって謎多き事件になったことがわかります。

下の絵は2枚とも映画の1シーンで検事が差し棒で示す「魔法の弾丸」の動きです。

⑦は知事の太ももへ再突入し貫通。無傷の弾丸は病院の担架の上で発見されたという

約60年前《民主主義の兄貴たる国》で「魔法の弾丸」がまかり通った


ウォーレン委員会が単独犯説に拘泥した結果、報告書によれば、ケネディを後方から狙ったオズワルドが5.6秒で発射した弾丸3発はケネディに3つの傷、コナリーテキサス州知事に5つの傷を負わせたとします。しかし、1発目をはずし、2発目はケネディの頭部を撃ったほかに7つの傷を帳尻合わせするために、絵のような体内に出たり入ったり空中で待機したり、左から右へ、上から下へと摩訶不思議な動きを繰り返し、検事は「魔法の弾丸」「たいした弾です」と言います。

 

事件から5年後発掘された資料映像「ザプルーダー・フィルム」の実写で、次のような流れがわかります。

▽1発目 はずす→▽2発目 前方からケネディのノドが撃たれる→▽3発目 ケネディは背中を撃たれ前にかがむ。知事は帽子を持ち振り返る。手はまだ撃たれていない→▽4発目 ケネディをはずし知事の背中へ。知事が「皆殺しにされる」と叫ぶ→▽5発目 はずす→▽6発目 前方からケネディの頭部に命中し、左後ろへのけぞる

3方向、後方の教科書倉庫ビル、近くのダルテックスビル、前方の芝生の丘に配置された3チームによる交差射撃という複数犯説を8ミリフィルムのフレームごとに常識的に説明したうえで、「ケネディは政府の最高レベルの陰謀で暗殺された」と検事は言います。しかし、裁判は共謀したというCIA局員を有罪にはできませんでした。

 

常識を働かせるならば、安倍元首相暗殺事件でも、背後の単独犯にこだわるのは敵の思う壺です。安倍さんが演説していた前方のビルの窓が開いた高層階や屋上等の捜査は欠かせません。今からでも周辺のあらゆる監視カメラを確認すべきです。また、近くにいた人たちも例外なく調べなければなりません。薬莢を残す、あるいは回収する、手を下す、といった工作の恐れがあるからです。

 

次回は動機について考察します。

前略 岸田文雄殿 世界連邦政府を推進されていますが、日本は消滅しませんか?

ハライター原の名著名作紹介番外編「世界連邦と日本国会」

参考図書:小沢一郎著「日本改造計画」、ゲイリー・アレン著「ロックフェラー帝国の陰謀」、渡部悌治著「ユダヤは日本に何をしたか」

英語版のみロックフェラー四世が序文

国連本部の大家さんは誰ですか?

もっと世に知られるべき図書



参考:国会会議録検索システム

参議院本会議平成28年5月25日 国連加盟60周年に「世界連邦実現への道の探求に努める」決議案が全会一致で通る。決意表明は岸田文雄

衆議院本会議平成17年8月2日 終戦被ばく60周年にアジア諸国への反省をしたうえで「世界連邦実現への道の探究をする」決議案が通る。決意表明は小泉純一郎

 

今回は、国会の衆参本会議で決議されたことなのに国民はその意味の重大性をほとんど知らないことをお伝えします。最近のものから順に紹介します。

 

まずは参議院本会議平成28年5月25日です。

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松山政司君(※自民党参議院議員まつやま・まさじ) ただいま議題となりました我が国の国連加盟六十周年にあたり更なる国際平和の構築への貢献を誓約する決議案につきまして、発議者を代表し、案文を朗読いたします。

    我が国の国連加盟六十周年にあたり更なる国際平和の構築への貢献を誓約する決議案

  本年は日本が国連に加盟して六十周年にあたる。

  国際平和の達成は日本と世界の悲願であるにもかかわらず、パリ同時多発テロをはじめ、世界各地で紛争・テロが続いている。さらには、大量破壊兵器やミサイル技術の開発・拡散、難民・貧困問題、地球温暖化に伴う災害の増加、感染症をはじめとする疾病の拡大など、国家の枠組みを超え、世界全体で対処すべき課題が山積している。

  このような国際社会の現実の中で、本院は、国際連合が創設以来多年にわたり、国際平和の維持と創造のために発揮した叡智と努力に深く敬意を表する。我々は、今後もわが国が率先垂範して人類の平和と助け合いのために努力することを誓う。

  政府は、日本国憲法の掲げる恒久平和の理念のもと、国際機構の改革強化を目指しつつ、国際法の発展、核兵器廃絶など軍縮外交の推進、また人間の安全保障の実現を含む世界連邦実現への道の探求に努め、平和な未来を確実にするための最大限の努力をすべきである。

  右決議する。

 以上であります。

 何とぞ皆様方の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)

○議長(山崎正昭君) 投票の結果を報告いたします。

  投票総数         二百二十九  

  賛成           二百二十九  

  反対               〇  

 よって、本決議案は全会一致をもって可決されました。(拍手)

    ─────────────

   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕

国務大臣岸田文雄君) ただいま採択されました御決議の趣旨を受け止め、政府といたしましても、引き続き、安保理を始めとする国連改革の推進に努めつつ国連との連携を一層強化し、国際社会が直面する様々な課題の解決に積極的に貢献してまいります。(拍手)

 

※岸田現総理は2017年1月20日現在の世界連邦日本国会委員会名簿に例えば参議院議員兵庫選挙区の末松信介さんらとともに載っています。

 

核兵器廃絶は耳障りがいいですが、ここで思い出すのが、小沢一郎著「日本改造計画」(1993年講談社)です。英語版にはロックフェラー四世が序文を寄せたという本です。ここで「新しい秩序つくりと同時に、具体的な平和政策も実行しなければならない。唯一の被爆国日本が核軍縮の大幅促進を主張すべきだ。核兵器対策には二つの段階があり第一段階は核兵器の削減。第二の段階は、一見夢のような話だが、核兵器を国連の管理の下に置くことだ。国連がどこかの場所に集めて保管するのではなく、各国の核装備部隊を国連が一元的に指揮、管理、運営する」と書いています。まさに世界を一極化する世界連邦政府構想です。

 

また、「ロックフェラー帝国の陰謀」(ゲイリー・アレン著、1984年自由国民社刊)には「世界連邦協会初代会長コード・メイヤー・ジュニアは著書『平和かアナーキーか』で『統一世界連邦政府にひとたび加盟したらいかなる国でも脱退したり反抗したりできない。連邦政府は自ら管理する原子爆弾で逆らう国を地球の表面から吹き飛ばす』」

これは核のない平和な世界と呼べるのでしょうか? 

世界連邦政府を仕切るのは多額の出資をする多国籍企業ではありませんか? 

CEOあるいは筆頭株主が核のボタンを握るのですか?

 

次に衆議院本会議平成17年8月2日です。

 

○本日の会議に付した案件

 国連創設及びわが国の終戦被爆六十周年に当たり、更なる国際平和の構築への貢献を誓約する決議案川崎二郎君外二十名提出)

 出入国管理及び難民認定法第二条第五号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律案(法務委員長提出)

梶山弘志君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。

 川崎二郎君外二十名提出、国連創設及びわが国の終戦被爆六十周年に当たり、更なる国際平和の構築への貢献を誓約する決議案は、提出者の要求のとおり、委員会の審査を省略してこれを上程し、その審議を進められることを望みます。

鈴木恒夫君 私は、自由民主党民主党・無所属クラブ、公明党の提出者を代表いたしまして、ただいま議題となりました決議案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。

 今日の地球上のありさまを見ますと、今こそ我が国は、世界平和、人類の発展に牽引役を果たさねばならないことを痛感いたします。こうした思いを最大公約数にして、本決議案はまとまりました。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    国連創設及びわが国の終戦被爆六十周年に当たり、更なる国際平和の構築への貢献を誓約する決議案

  国際平和の実現は世界人類の悲願であるにもかかわらず、地球上に戦争等による惨禍が絶えない。

  戦争やテロリズム、飢餓や疾病、地球環境の破壊等による人命の喪失が続き、核兵器等の大量破壊兵器の拡散も懸念される。

  このような国際社会の現実の中で、本院は国際連合が創設以来六十年にわたり、国際平和の維持と創造のために発揮した叡智と努力に深く敬意を表する。

  われわれは、ここに十年前の「歴史を教訓に平和への決意を新たにする決議」を想起し、わが国の過去の一時期の行為がアジアをはじめとする他国民に与えた多大な苦難を深く反省し、あらためてすべての犠牲者に追悼の誠を捧げるものである。

  政府は、日本国憲法の掲げる恒久平和の理念のもと、唯一の被爆国として、世界のすべての人々と手を携え、核兵器等の廃絶、あらゆる戦争の回避、世界連邦実現への道の探究など、持続可能な人類共生の未来を切り開くための最大限の努力をすべきである。

  右決議する。

以上であります。

 何とぞ議員各位の御賛同をお願い申し上げます。終わります。(拍手)

内閣総理大臣小泉純一郎君) ただいまの御決議に対して所信を申し述べます。

 政府といたしましても、種々の機会において、いかなる問題も武力によらず平和的に解決するとの我が国の戦後一貫した立場を表明してまいりました。

 ただいま採択された御決議の趣旨を深く受けとめまして、唯一の被爆国として、平和主義と国際協調の精神に基づき、国連を強化するための改革実現に一層努力しながら、今後も世界の平和と繁栄に貢献していく決意です。(拍手)

 

こちらで世界連邦と日本の関わりがわかります。

衆議院 憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会 平成15年4月3日

中野(寛)小委員<ブログ主註:吉本興業文化人タレントとして所属 その中での紹介文は 25 歳で豊中市市議に初当選。当時の史上最年少議員として話題になる。以後、地方議員、国会議員(衆議院議員11 期)として42 年間政治に携わり、政治生活のテーマとした二大政党制の実現に大きな役割を果たした。 世界連邦日本国会委員会会長(14代)>

今中山会長が言われましたことは、意外に知られていない事実を的確に御指摘いただいたと思います。

 いわゆる朝鮮半島の停戦協定の中で結ばれた国連軍というのは、形式上は存在をしている。ただ、それがいわゆる実効力を必ずしも伴っていない。しかし、何かあるときには、それぞれ派遣している国が会議を開いて、いろいろなアドバイスをしたりしているというその実態をもう少し国民が知ってもいいのではないかという気がいたしておりまして、さすが、会長に的確な御指摘をいただいたという感想を持ちました。

 せっかくの機会ですから、ちょっとそのまま引き続いて発言をさせていただきます。

 先ほど今川委員が最後に個人的な見解としておっしゃられたことですが、確かに突然聞きますと夢物語を言っているように思われるかもしれませんが、先般、中山正暉先生と私とで世界連邦の話をいたしました。大戦直後に湯川秀樹博士だとかいわゆる当時の物理学者が、地球を壊さないためにということで運動を始められた世界連邦運動というのがあって、国会でも当時、尾崎行雄それから初代の衆議院議長の松岡さんとかいろいろな方々が運動を起こされ、今でもその国会委員会というのはあるんです。そこではちょうど今川さんおっしゃられたことを、国連を発展させて、そして国連軍で国際警察の役割を果たし、それぞれの国々は軍隊を放棄してという、しかしそこへ持っていくためには現実論を解決しながら積み重ねていかないといけません。

 

※ここで思い出すのが、「ユダヤは日本に何をしたか」(渡部悌治著、成甲書房)。以下は動画では触れず、ブログのみで引用します。

 

「戦時中、理研仁科芳雄博士は原子爆弾を実験段階ではすでに完成していた。(中略)。仁科博士の意見で発表は厳禁されていた。ところがそれを、当時理研にいた研究補助員の湯川秀樹が米国に売り渡したのである。米国は終戦後、湯川の功績の論功行賞としてノーベル賞を授与させている」

これが、戦後の日本人を勇気づけた人物……

ファンド連合が支配するアメリカ経済~ハライター原の名著紹介「米国会社四季報」

米国会社四季報2020年春夏号(東洋経済新報社

軍需会社を調べるのも興味深い米国会社四季報

米国会社四季報。アメコミヒーローの本の表紙にようです。米国株への投資目的以外で買う人はいないかもしれません。私は、いわゆる国際金融資本の富の源泉が「ファンド」という形を取り始めたことを確認するために買いました。まあ物好きかもしれませんが、お付き合いください。

時価総額という基準で、アメリカを代表する大企業の上位株主の名前と持株の割合を紹介しましょう。GAFA(ガ―ファ)-グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルは、株式時価総額上位の常連です。イーロン・マスクマーク・ザッカーバーグといった創業者が株式の最大保有者であっても、3つ4つのファンド連合がそれを上回るのはテスラもフェイスブック(現メタ)もそうです。

兵庫チャンネル

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アップル バンガード(非上場)7.5% ブラックロック(上場)6.3% バークシャ・ハサウェイ(上場ウォーレンバフェット筆頭)5.7% ステート・ストリート(上場)4.1% …Tロウ・プライス1.1% ※2ファンドで13.9%

マイクロソフト バンガード8.2% ブラックロック6.7% キャピタル・リサーチ4.9% ステート・ストリート4.1% ※2ファンドで14.9%

アマゾン ジェフ・べゾス11.1% バンガード6.4% ブラックロック5.3% ステート・ストリート3.3% フィディリティ3% ※上位2ファンド計11.7%で創業者べゾスを上回り、上位3ファンドで15%弱。

▽アルファベット(グーグル) バンガード6.6% ブラックロック5.7% Bryn,Sergey5.5% ステート・ストリート3.3%

セルゲイ・ミハイロヴィッチ・ブリンは、グーグルの共同創業者

3ファンドで15%超え

 

運用資産残高ではブラックロックがバンガードより上だが、ほとんどの大企業の株主順位では、バンガードの方が上。そのブラックロックを支配するメロン財閥系のPNCファイナンシャル・サービシズを支配するのはキャピタル・リサーチ。キャピタル・リサーチはロサンゼルスで設立された株式非公開企業。行きつくのは「非公開」「非上場」です。

 

キャピタル・リサーチがブラックロックを支配 ファンドがファンドの株を持ち合う

PNCファイナンシャル・サービシズ・グループの筆頭株主はキャピタル・リサーチ8.1%

ブラックロック筆頭株主はPNCファイナンシャル・サービシズ・グループ22.3%

※PNCファイナンシャル・サービシズ・グループはメロン財閥

ステート・ストリートは筆頭株主ブラックロック8%

Tロウ・プライス・グループの筆頭株主はバンガード8.7%

バークシャー・ハサウェイは、ウォーレン・バフェット15.9% バンガード5.9%

銀行はバンガード筆頭株主が多い。

バンガードはウィキペディアによると、2020年1月31日時点の運用総資産額は7.1兆米ドル(約765兆円)。

日本でもおなじみのセゾン投信資料ではバンガードの2016年9月の運用資産総額は約384兆円、4年弱で倍増していることがわかる。

ブラックロックに次ぐ、世界2位の投資信託および上場投資信託ETF)の提供者である。(中略)バンガードは上場企業ではなく第三者株主が存在しないため、ファンドの保有者がバンガードのファンドであり、バンガードのファンドに投資をする投資家がバンガードの保有者になる仕組みで経営されている。ファンドの利益は、バンガードのファンドに投資をする投資家に還元されることになる。

ブラックロックウィキペディアによると、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市に本社を置く、世界最大の資産運用会社。2021年末における同社の運用資産残高は10兆ドルと日本のGDPの2倍に相当する。ファンドを通じて主要な上場企業の大株主となっており、S&P500種株価指数を構成する企業の80%以上において、持ち株比率の上位3位までに入っている。

 

2大ファンドで15%弱

「15%」の意味は、ツイッターVSイーロン・マスクツイッターの買収対策でクローズアップされた「ポイズンピル」という買収防衛策制度にヒントがあります。承認を得ない15%以上の株式取得を認めない条項です。つまり15%は会社を支配するに十分な株式数ということです。2ファンドで15%弱だが、ファンド同士は仲がいい。意味はわかりますね。

 

ギリアド・サイエンシズという会社をご存じでしょうか。つい最近の名著紹介で近藤誠、中村仁一両氏の対談本を紹介し、近藤先生が「タミフルの7割が日本に流れていた」と書いていると紹介しました。その抗インフルエンザ薬タミフルの特許を持つのがギ社です。コロナ治療薬では「レムデシビル」で有名です。

 

上位株主構成はキャピタル・リサーチ9.4% ブラックロック8.4% バンガード8.2%などとなっています。

 

CNNのかつての報道を紹介しましょう。

CNN

 <鳥インフルエンザ大流行の予測は世界の人々をパニックに陥れているが、ギリアド・サイエンシズ社の株を所有するラムズフェルド国防長官やその他政界関係者にとっては朗報だ。

 カリフォルニア州に本拠を構えるバイオテック企業ギリアド社は、インフルエンザ治療薬として現在世界中から注目されている『タミフル』の特許を所有している。

 1997年からブッシュ政権入閣までの2001年の間、ラムズフェルド国防長官はギリアド社の会長を務めており、現在でも同社の株を保有しているが、その評価額は500万ドルから2,500万ドルの間であることが、ラムズフェルド氏自身による連邦資産公開申告書で明らかになった。(中略)少なくとも100万ドル以上資産を増やしたことになる。>

ドナルド・ラムズフェルド911時の国防長官。昨年6月88歳で死亡。(ブログ主注釈)

 <スイスの医薬品大手ロシェ社が製造販売しているタミフル(ギリアド社は販売額の10%のロイヤリティーを受け取っている)で利益を得た政界有力者はラムズフェルドだけではない。

 ジョージ・シュルツ国務長官はギリアド社役員として、2005年度に入ってから同社の株700万ドル分を売却している。>

最高支配機関「五人会議」の新旧メンバーが明かされている

ジョージ・シュルツは昨年2021年2月100歳で死亡。ニクソンレーガン政権で政府の要職を占めました。世界最大級の建設会社で非上場のベクテル社の社長を務めました。ユースタス・マリンズの「知られざる世界権力の仕組み」の中で、「世界権力の頂点に立つ最高支配機関『五人会議』の4人のうちのひとり」と名指しされた人物です。(ブログ主注釈)

 <(中略)「政界とこれほど繋がりの深いバイオ企業は他に類を見ない」サンフランシスコのシンク・イクイティ・パートナーズ社アナリストのアンドリュー・マクドナルド氏は評している。

 さらに重要なことは、合衆国政府が世界最大のタミフル購入者であるという事実だ。今年7月には、米国防総省兵士への配給用に、5,800万ドル分のタミフルを注文しており、議会も数十億ドル分の購入を検討中である。2005年度におけるロシェ社のタミフル売り上げ予測額はおよそ10億ドルで、前年度は2億5,800万ドルであった。>

以下略

 

ファンドの前は、ペーパーカンパニーが主要企業の大半の株式を支配していると、イギリスのメディアが報じたことがあります。その名は「シード&カンパニー」です。

デイリースター 2019年11月16日記事

「ニューヨークにある小さな金融機関は、1ダースのディレクターおよび半ダースだけの従業員を持っているけれども、財産約34兆ドルを保持している」

 

アメリカを所有していると言ってもいいペーパーカンパニーです。日本の主要各紙の過去記事を調べましたが、この会社は日経に小さな記事が1回載っただけでした。1987年日経「マネー全科」というコーナーで同社を紹介しました。

「株券などの保管振替機関DTCの名義代理人。DTCの預託証券はすべてシード名義で登録するため、この名前は多くの会社の筆頭株主として登場します」と。

 

リーマンショック時代のFRB議長のベン・バーナンキ回顧録「危機と決断」の中で「FRBがルールをじかに適用できるのは、(中略)銀行の持ち株会社約5000社だけ(その多くが傘下の関連会社をひとつにまとめるだけに設立されたペーパーカンパニー)だった」と述べています。

 

米国株式、米国経済、世界の大半を支配するのは、ペーパーカンパニーからファンド連合に変わりました。「キャピタル」(資本)や「バンガード」(前衛)、シード&カンパニー(種と会社)など、ある意味個性のない、無力そうな、漠然とした、社名では業種がわからないような名前の会社名が特徴です。「東インド会社」に通ずるものを感じます。

 

今後富の源泉はどのような形に変わるにしても、ますますその実態が見えにくいものとなるでしょう。

真の個人の所有者、あるいは真の権力者がますます表に出にくいものになるでしょう。「陰謀論」で思考停止していては太刀打ちできません。

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見えにくくても絶対的支配者がいます。アメリカにしろ属国の日本にしろそこの株主市場で勝てる者は絶対的支配者のみです。岸田政権が庶民のタンス預金をこのような魑魅魍魎、猛獣の棲む株式市場に引きずり込もうとしていますが、「資産倍増」など夢のまた夢でしかないことは言うまでもありません。

「今は病院で水ぶくれになっているので、重くて納棺に難儀するんです」~ハライター原の名著紹介「やはり死ぬのは、がんでよかった」

「やはり死ぬのは、がんでよかった」(中村仁一著 幻冬舎新書 2021年発刊)

市井の立派な日本人を知り、泣ける本でもあります

前回紹介しました対談本での「医療」より「介護」や「穏やかな死」に主眼を置いた話になります。

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老人ホーム診療所所長としてがん放置患者を100例診てきた中村先生。ご自身も希望通り昨年6月肺がんのため自宅で穏やかに亡くなりました。末期医療を受けることなく、直前まで自力でトイレに行き、食事を自分で摂っての見事な最期です。まさに人間らしい死を見せてくださったのですね。

 

<人間は本来、穏やかな死を迎えられるようになっています。それを邪魔しているのが「延命医療」と”延命介護”ではないかと思います。>

<痛みがなければ診察する必要もなく、気づいたときは”手遅れ”の状態なのです。「手遅れ」というと、とんでもなく不幸なことのように思えますが、何らかの症状が出てくるまで元気に暮らせていたことを考えれば”手遅れの幸せ”と申せましょう。

 

電車内で読んでいて泣きそうになり、途中でやめた中村先生のお父さんの話です。中村先生が高校2年のとき心筋梗塞で亡くなりました。養子として迎えられた先に実子が生まれ、いびられ、家出して医学の道を目指します。ところが、20歳のときものが二重に見える病気になり、訪れた眼科で目薬と劇薬を間違えられ、瞬時に両目を失明。途中失明によって医者になる夢が断たれ何度も自殺を考えた。

それでも鍼灸師の資格を取り、中村さんら家族を養い、亡くなる半年前から心筋梗塞の発作を起こし、亡くなる当日まで働き続けたそうです。愚痴を言わず同情を買うようなこともない。最期の日は今まで以上の激しい発作で苦悶しほんの数分であっけなく亡くなりました。絶望感にさいなまれていただろうが、運命として受け入れる覚悟ができていたのだろう、家族の前では動じなかった。父の死にっぷりが私の死生観に大きな影響を与えた。

 

父は「医者になれ」とは言わなかったが、父の死をきっかけに医者を志す中村先生です。執筆当時末期肺がんによって呼吸困難はありますが、「俺の死にっぷりを見ているのに、その様は何だ」と批判されないような死に方をしたいと思っています。

と書かれています。

※この父にしてこの子ありです。正直、涙腺崩壊しました。

前回の対談本で紹介できなかったエピソードをもうひとつ紹介します。中村先生が主宰してきた「自分の死を考える集い」の参加者から聞いた。ある一人暮らしのおばあちゃんが風呂につかったまま死んだ。検視になったが、身に着けていた下着がどこにもない。その日着てた下着はすでに洗濯機の中だった。家の中はきちんと整理整頓されている。いつ亡くなっても恥ずかしくないようにということです。

※日本という国は、政官財にはろくな人間がいませんが、市井の中にこそ立派な人がいるものだと本当に実感します。

中村先生は、枯れるように死ぬことが自然だと主張されています。老人ホームで体中の水分を使い果たして死んでいくことを何度も見てきたからです。カエル腹になって溜まった腹水すらぺしゃんこになるというのです。

そこで、こんな話が紹介されます。

 

<かつて、年配の葬儀社の方がこんなことをいっていました。「昔は遺体が枯れていたので、軽くて納棺が楽だった。でも、今は病院で死の当日まで点滴注射などをして水ぶくれになっているので、重くて納棺に難儀するんです>

 

<年寄りはどこか具合が悪いのが正常なのです。したがって、「老い」を「病」にすり替えないことが大切になります。

※なぜ医療側は老いを病にすり替える好き勝手ができるのでしょう。その答えがこれです。

<日本人は医療を過大評価し、無駄な抵抗をしているように思えます。…生来、穏やかに死ねるしくみが備わっているはずです。それを「医療」を使って邪魔してはいけないのです。自然の摂理に任せることです。>

※胃ろうといのがあります。口から食べられなくなったので、胃にチューブをつなぎ栄養を送るわけです。本の中には胃ろうをつけて誤解を恐れずに言えば、生ける屍のようになった人のどこから手足が出ているのかわからないような写真もありました。

 

<身体がいらないといっている状況下で、無理に栄養や水分を押し込むわけですから、かなりの苦痛と負担を強いることになります>

※できることをすべてしたところで、回復の見込みはない、生活の質も改善しません。そして苦痛まで受ける。あなたのお父さんやお母さんは本当にそんなことを望んでいるのでしょうか?

 

<持病のある人が、一滴の水分も口から入らなくなれば、薬も飲めない。しかし、不思議なことに薬が飲めなくても発作は起きない。発作を起こすほどのエネルギーがすでに失せているのかもしれません。>

前回も付箋がいくつあっても足りませんと言いましたが、この本もそうです。50歳代後半の私でもそう思いましたので、先輩、大先輩の方々には大いに参考になるでしょう。

中村先生が講演で使っていた枕のひとつを紹介します。

 

<私は長野県の田舎で育ちました。昭和20年代の後半には、腹の中を回虫やサナダムシなどに間借りされている人がたくさんいました。こういう人が死にかけるといち早く虫たちが察知して口や肛門から飛び出してきました。それを見た一族の長老が「とうとう虫にも見離された」と、家族に「もう長くない。覚悟せい」と引導を渡した。これを”専門用語”で「虫の知らせ」と言いました。

 

※濃厚な医療、介護に縛られた現実の中で、穏やかな自然死を取り戻すことは容易ではありません。

中村さんは<年間死亡者がさらに増えると今のように多くが病院で死ぬことはなくなる。在宅死になる。しかし、その在宅死にも在宅医療死と在宅自然死がある。病院で目一杯の治療を受けて、改善が見込めないが、病院で行われていた延命措置は引き継ぐ。死ぬまで医療が濃厚に関与する。一方在宅自然死は医療とのかかわりをできるだけ持たない。医者の役割は、見守ること、これから起きる変化を伝えること、死亡の確認と死亡診断書の発行。カンタンなことのように思えますが、現状では、在宅自然死の方が在宅医療死より難しい。「介護してくれる家族に負担がかかる」「症状が急変したときの対応に不安がある」が大きな理由。在宅で看取らせるためには、信念と覚悟が必要なのです。

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人は「死」を避けられません。しかし、現代人は自分の死も身内の死も過度に恐れています。医療や介護にただ身を任せることが逆に苦痛につながっています。利き手が使えないなら違う手で半日かけて食べたっていい。時間はたっぷりあるから、何でも自分でやる。しかし、いよいよ食べられない、飲めないのは死期が近づいているから。昔はそこに濃厚な医療や介護が介入せず、栄養や水分や何もかも使い果たして枯れたのでしょう。

数少ない本物の医者の死が残念でなりませんが、中村先生の立派な死にっぷりを、身内でも何でもありませんが、伝えていこうと思います。合掌。

「老いを無理やり治療しようとしていないか?」「なぜ日本医師連盟は自民党に多額の寄付をするのか?」~ハライター原の名著紹介「新版 どうせ死ぬなら『がん』がいい」」

きょうは国民が医療側から取り戻さなければならないもののひとつ、がん医療のお話をします。

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名著紹介「新版 どうせ死ぬなら『がん』がいい」(中村仁一、近藤誠共著)2018年宝島社新書発刊 2012年発刊6年後の再上梓です。

すべてのページが見逃せない

がんについて目から鱗の話がたくさんあるだけでなく、広く日本の現代医療の儲けのからくりとその中心にいる医者に何もかもお任せの日本人が受けた不利益がよくわかり、死についても考え直すきっかけになる大変お得な本です。

これまで名著紹介で近藤誠さんは取り上げてきました。がんにはがんもどきと本物のがんがあり、本物のがんなら早期発見したところですでに転移は完了しており、手術しても抗がん剤でも歯が立たない。強い治療は体を痛めつけるだけでいいことが何もない。自覚症状がなく人間どっくや検診で見つかる「がんもどき」はそもそも治療する必要がない。

という目から鱗の知識を与えてくれる方です。医療界において極めて異端児ですが、今回はもうおひとりの異端児、老人ホーム診療所所長の医師、市民グループ「自分の死を考える集い」を主宰し、「大往生したけりゃ医療とかかわるな」というベストセラーがある中村仁一さんとの対談です。近藤さんも慶応大病院の放射線科といういわゆる文字通りの日の当たる道ではありませんが、中村さんもいわゆる格下扱いされる位置にいたからこそ、真理に行き付いたように思えます。中村さんは昨年6月に希望通り肺がんで自宅で穏やかに亡くなりました。81歳でした。

流行病で医者の醜悪な拝金主義を見てきました。おふたりのことばが信じられるのは、「がん放置患者」を数多く診てきて、その穏やかな死を見てきたことです。そして、自分の失敗も隠さず語っています。だから今の日本のがん医療のさまざまな問題点への指摘、批判に十分な説得力があるのです。(以下敬称略)

<がん医療への数々の疑問>

中村:「抗がん剤の認可基準というのが『画像診断でがんの面積が半分(最近は長さで決めるようになり、その場合は長径が7割)になった4週間続く患者が、2割いたらOK』ですからね。8割は縮小効果すらなくても認可されちゃうなんて、どうなんですかね」

近藤:ウィーンのビルロート教授は、1881年に世界で初めて胃がんの切除手術に成功し、「胃がん切除術のパイオニア」とされています。…患者は4か月後に再発のため亡くなりその後も失敗続き。なのに胃がんの標準的治療法となって、どんな胃がんでも胃の全部か3分の2を切除することが当然とされ、いまに至るまで「胃切除術をした方が生存期間が長くなる」という実証は出ていない。

近藤:「日本では長野県の『がん検診をやめた村』、泰阜村(やすおかむら)でがん死が明らかに減っています。1989年に胃がんや肺がんなどの集団検診をやめたら、88年以前の6年間は胃がん死亡数が全死亡数の6%を占めていたのが、89年以降の6年間は、全死亡数の2.2%と半分以下に減った、というデータが出ています」

近藤:「早期発見、早期治療」は患者の延命に結び付いていない。「医療技術の進歩によって、日本人の寿命が延びた」と主張する専門家が多いけど、人口に占めるがん全体の死亡率は1960年代から今まで、変わっていません。検査装置が優秀になり、昔よりがんが小さいうちに見つかるようになったから、それが育つ期間分、「がんなのに長生き」したように見せている。

※昔より早く見つけているが、延命にはつながらない。その分長生きしたように見せかけているだけ。

近藤:「150人以上のがん放置患者を定期的に診ることができました、そして理論と事実が完全に一致」

中村「ぼくも老人ホームで、がんを放置した人がどんな死に方をするのかを70例以上診ることができました。病院で『余命はせいぜい2~3か月』と言われたのに、がんを放っておいたら1年近くも生きて、亡くなる直前まで普通の生活ができた、というような例はいくつもあります」

※ぜひみなさんお身内の担当医に聞いてみて下さい。「あなたはがん放置患者を診たことがあるのか?」と。おそらくひとりもいません。

近藤:日本人に多い胃がん、肺がんなど9割の固形がんには、「抗がん剤で生存期間が延びた」「再発の予防に抗がん剤が有効」という実証はない。決して慌てて治療を受けてはいけません。

※延命も再発防止も実証されていない。

近藤:海外では1期の喉頭がんは放射線治療をするから9割近く咽頭を残せる。日本だと1期でもどんどん切る。

近藤:子宮頸がんも、いまだに7割ぐらいは大きな手術。

中村:テレビも新聞も雑誌も99の死屍累々は隠して1の成功例のいい面だけを強調しているのに、みんななんにも疑わないでそのまま受け取る。

近藤:CTの台数は日本が断然世界のトップ。CT検査による被ばく線量も検査が原因の発がん死亡率も世界一。国が避難の目安にした被ばく線量は20ミリシーベルト胸部CT検査は1回で10ミリシーベルト。日本で行われているCT検査の8~9割は必要ないもの。

近藤:1988年に乳がんの乳房保存療法を書いたときシミュレーションした。慶応で孤立すること、ずっと講師でいること、しかし教員だからやめさせられないし、外来も取り上げられないだろう。そしたら一時乳がん患者の1%が僕のところに来た。

日本医師連盟日本医師会と表裏一体、自民党政治資金団体国民政治協会に毎年2億円もの高額寄付をしている。どんな目的があるのだろうか?



<その他の病気の治療>

近藤:ガイドラインの根拠になるデータがいい加減。利益誘導みたい。高血圧のガイドラインはどんどん低くなっている。降圧剤の売り上げは1988年の2000憶円から2008年に1兆円超え。20年間で6倍。病人が増えたわけではない。血圧の基準値が下がっただけ。根拠はない、経済的な功利だけ。

コレステロール値も日本人は高い方が長生きと10年以上前からわかっているのに基準値はなかなか上がらない。コレステロール低下薬のスタチン類は年間2600億円。関連医療費はその3倍。

中村:絶対リスクは3%減なのに相対リスクは3割減少とか言われると、普通の人は「へぇそんなに防げるの」ってだまされる。だましやすい表現を使っている。

近藤:2009年の豚インフルエンザパンデミック世界のタミフルの7割が日本に流れた。タミフルパンデミックの直後から効果が疑われたが、製薬会社が行った多くの臨床試験はデータをきちんと公表しなかった。…〇ちんも欧米ではすごく余り、日本人だけが律義に受けた。結局パンデミックが終わってみると普通のインフルエンザよりも軽かった。行政は製薬会社が〇チンを売るのを助けたい。医者は手間賃を稼ぎたい。そんあわけで止める人がいない。

近藤:血圧は基準値をどんどん下げて「検診をやれば2人に1人は高血圧」にさせられている。2000年に正常範囲を最高140、最低90に引き下げた結果、高血圧患者が2000万人以上も増えた。新薬はだいたい11年で特許が切れてもうけが減る。そこでほかの薬と抱き合わせて合成薬をつくる。新薬だと言って降圧剤と別の薬を飲まされる。

近藤:糖尿病も日本の基準は空腹時血糖値126ミリグラム以上で患者が2000万人以上。症状がなく血糖値が高いだけでインスリン療法や血糖降下剤は意味がなく場合によっては命を縮める。

長命地獄、医療地獄…死ぬ前は特にひどい。日本人が一生に使う医療費の2割が死ぬ直前に使われる。

中村:だから「香典医療」と言われる。

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良心的な医師がきわめて少数で、彼らの正論が拝金医療システムと100分の1の成功例報道によって国民に届くのが阻まれているのが日本の医療の最大の病巣ではないでしょうか?

ワクチンの空中散布や呼吸感染、人を無抵抗にする食品という発想が恐い~ハライター原の名作紹介・米ドラマ「ザ・ラストシップ」

このドラマは2014~2018年にかけてシーズン1~5まで放映されました。現在(令和4年5月19日現在)もアマゾンプライムで視聴できます。

ヘリからワクチンを空中散布するザ・ラストシップの1シーン



海外ドラマをただの作り話と見るかどうか。こんなことを言うと、すぐに「作り話に決まってるだろ、陰謀論陰謀論」と言われます。 しかし、陰謀は世の中にあふれていませんか? 世界は善意善行の人ばかりなのに運悪く悪行が天災のように降り注いでいるのですか?

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十数年前に放送された人気脱獄ドラマ「プリズン・ブレイク」で、政府を操る闇の組織は、「カンパニー(いわゆる会社)」という名前でした。戦争も民営化される現代、悪意ある多国籍企業グローバリズムの原動力であることは明らかで、象徴的な命名です。

カンパニーのボスは元軍人です。一人のジェネラル(将軍、司令官)に過ぎませんが、大統領より権力は上位。どこでも筆談で諜報に細心の注意を払います。カンパニーが厳重管理し、力の源泉だったのは、世間は利用できないどころか知りもしない最新の医療技術など最先端科学でした。インターネットや電子レンジは軍事技術の民生利用の一端に過ぎず、それもさもありなんです。

ジョージ・オーウェルの「1984年」も、エシュロンNSAによる監視社会を先取りしていました。終生社会主義者ジョージ・オーウェルの計画書ともいわれるほどです。

古くは「パンとサーカス」や現代なら3S(スポーツ、セックス、スクリーン)といった娯楽が大衆操作に欠かせないように、大変長い前置きとなりましたが、作り話とばかにはできないということです。「作り話とばかにされる」ことも織り込み済と言った方がいいでしょう。

今回紹介するのはアメリカのドラマ「ザ・ラストシップ」です。

以下、ドラマのネタバレになりますのでご注意ください。

監督は「アルマゲドン」や「トランスフォーマー」で有名なマイケル・ベイ。ウィリアム・ブリンクリーが1988年に書いた同名小説が原作になっています。 三つのウイルスと人類の戦いをテーマにしています。 30年以上前に書かれたとは思えないリアルさで、例えばパンデミックで描かれたワクチンを免疫者の呼吸で感染を広める方法や、食糧危機での人を無抵抗にする遺伝子組み換え食品という発想は、当時としては想像をはるかに超えています。

 

秘密任務で長期海上にあり、連絡も遮断していた米海軍駆逐艦「ネイサン・ジェームズ」は全世界を蔓延した疫病「赤い悪魔」の感染を免れます。帰路途上ワクチン研究の第一人者を乗せてワクチンが開発されます。艦上でワクチン量産も実現し、アメリカからワクチン供給し始めます。

 

興味深かったのは、ドラマ中で人間に使われたワクチンが進化する様です。はじめは注射タイプでしたが、ワクチンを広める必要に迫られ、▽粒子化して空中散布を開発しましたが、これでは間に合わないと最終形になったのが▽ワクチン感染者を通した空気感染、です。

経鼻吸入ワクチンは開発を始めているようですので、粒子化は実現がそう遠くないのでしょう。

しかし、空中散布とは大規模農業の農薬散布のようですし、ワクチン感染者が空気感染でウイルスのようにワクチンを一気に広めるという発想はかなり恐ろしいものです。

ドラマはその後、真田広之率いる日本の海賊が「ワクチンは毒だ」と、ネイサンジェームズの前に立ちふさがります。ワクチンを打ったのに大半の日本人は死んだのです。結局、誤解があったことで日米は和解します。誤解のもとは、中国によるワクチンの効果を消す中和剤のせいでした。中国に日本が滅ぼされたという設定も怖すぎます。

 

赤い悪魔によって全世界50億人が死にましたが、まだ人類に苦難は続きます。

あらゆる穀物を枯らす「赤さび病」による食糧危機が世界を襲い、耐性のある種子の争奪戦となります。マッドサイエンティスト側が奪い、抵抗する気をなくさせる遺伝子をその種子に取り込ませ、抵抗の気力を奪う穀物の開発に成功。飢饉から世界的に食物を一元管理され、無抵抗か死かという全体社会を描いています。種子や昆虫がばらまかれる前に、またしてもネイサンジェームズが阻止しました。

最終第5シーズンは、サイバー攻撃に端を発する南米連合とアメリカの最後の戦闘です。孤軍奮闘だったネイサンジェームズだけでなく艦隊が就航する日に海軍のデジタルネットワークがサイバー攻撃で崩壊し、艦隊は警戒システムが丸裸となり敵機によって壊滅的打撃を受けます。サイバー攻撃の仕掛けのきっかけが簡単すぎて陳腐に思え、当初はサイバー攻撃に恐怖をあまり感じなかったのです。

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しかし、逆に言えば、簡単に世界を壊せるかもしれないという意味で、赤い悪魔、赤さび病(どちらも赤ですから意味深な名前です)よりも怖いかもしれません。そもそも、パンデミック、食糧危機よりも後に出てくる脅威なわけですからその順序だけで十分恐いですね。

物語だけでなく、世の中は、相変わらずの「世界の警察アメリカ路線」、「善はアメリカ、悪はアメリカ以外」です。三つのウイルスは確かに脅威ですが、パンデミックの出口で実感するのは、ウイルスが全体主義を推し進める手段となる脅威です。恐怖を悪用するウイルスが蔓延しないように、正しい知識を自らつかみ取ることが必要になります。寄らしむべし知らしむべからずの為政者を見るたびに思います。

親日派なら「インフラの人質」を追求すべきではないか?~ハライター原の名作紹介番外編「1クリックで日本壊滅」国会で議論は?

スノーデン関連の映画や著作について取り上げてきました。

今回は番外編として、アメリカとの同盟がなくなったら1クリックで日本壊滅の恐れが国会の質疑、答弁で出てきたのかについてみていきます。

国会会議録検索を使って、いろいろなキーワードを試してみました。

「映画スノーデンを見ましたが……」という前置きは質問者にも結構出てくるのですが、極めて重要な「1クリックで日本壊滅のマルウイルス」について出てきたのは、調べる限りでは2回。何らかの答弁を引き出したのはおそらく1回だけだと思います。古い順に見ていきます。

 

第193回国会 衆議院 予算委員会 第6号 平成29年(2017年)2月3日

○逢坂委員立憲民主党 逢坂誠二(おおさかせいじ)

 実は私、きのう、オリバー・ストーン監督の「スノーデン」という映画を見てまいりました。アメリカが世界各国のさまざまな情報を監視しているということが非常によくわかりました。

 それから、スノーデン自身が、日本の電力システムそれから病院、ダム、こういったシステムについて悪いソフトを忍び込ませて、日本がアメリカの同盟でなくなれば日本じゅうを停電にできるかのようなシーン、こういうものも流されておりました。

 この病院とかダムとか電力システムに悪いソフトウエアを忍び込ませているかどうかについては、いずれまた別の機会に予算委員会などで、危機管理の上でしっかり確認をさせていただきたいと思います。

 そしてさらに、スノーデン氏は映画の中でこう言っています。アメリカの世界じゅうの監視に関して、実はこの監視というのは、テロ対策でやっていると言っているんですけれども、テロ対策は口実で、政府の覇権のためだったとスノーデンは述べている。

 略

 TOC条約(国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約)の批准、共謀罪の創設が東京オリンピックパラリンピック開催の必要条件というふうにお考えでしょうか。

安倍内閣総理大臣 目的は三つではなくて、目的は二つでありまして、二つの目的については、まさに、条約を批准するためですね、もう一つは、テロに対する穴があればそれは埋めておく必要がありますねということを申し上げていて、そしてその上においてオリンピック・パラリンピックを開催し、そして世界からお客様をお迎えする。このおもてなしにおいて、もし、テロリストに襲撃をされるということ、法的な制度の中においてそれを防ぎ得ないという穴があるのであれば、それはおもてなしとして不十分であろう。

 いや、そんなものは別にあっても構いませんよ、そんなもの、別にあったって、なければないでいいじゃないの、テロもないかもしれないしという気持ちで開催する人ももしかしたらいるかもしれませんが、私はそうではない。

 私はそういう立場ではなくて、万が一にもそういうことがあるのであれば、そういう怠慢がもしあったとすれば悔やんでも悔やみ切れないわけでありますから、考え得る限りの対応はとっておく責任を果たしていくべきだという考えでありまして、もしかしたら見解の相違があるのかもしれませんが、私はそういう考え方を述べさせていただいたところでございます。

 

第196回国会 衆議院 外務委員会 第4号 平成30年(2018年)3月23日

政府参考人 (原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官)片山啓君 

末松義規すえまつよしのり

○末松委員立憲民主党 これも予算委員会の積み残しの質問なんですけれども、数年前に、スノーデンとか、あとウィキリークスという、世界の政治に激震が走ったことがございました。昨年でしたか、私も「スノーデン」という映画を見てショックを受けたわけです。それにはどんなことが内容としてあったかというと、スノーデンが横田基地に派遣されているときに、日本の発電所とかダムとか大病院とか公的施設に対して、サイバーの世界で、マルウエアとか、あるいはウイルスを埋め込んだ。これは、日本とアメリカが関係がいいときは当然それは作動しないんですけれども、もし日本がアメリカに敵対するような、そういった状況になったら、そのウイルスを作動させて機能停止をするんだというようなことが映画にもあったわけですし、また、いろいろなそのスノーデンに関する文献を調べてみても、それがあったわけですね。そこで私が一番ちょっと問題と思ったのは、この前のあの原発の事故が福島であった、電源がなくなったときに、爆発をする、そういう恐ろしい事態になるということがあったわけですけれども、これは、政府の方として、原発サイバーセキュリティー、これについてはどういうふうに対応していますか。

○片山政府参考人原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官) 原子力発電所についてのサイバーテロ対策は、原子炉等規制法に基づきまして、IAEAの最新の基準を取り入れた規則に基づいて実施をしているところでございます。具体的には、発電用原子炉施設及び特定核燃料物質の防護のために必要な設備又は装置の操作に係る情報システム、これが、電気通信回線を通じて妨害破壊行為を受けることがないように、外部からのアクセスを遮断することを求めております。また、情報システムに対する妨害破壊行為が行われるおそれがある場合又は行われた場合において迅速かつ確実に対応できるように、情報システムセキュリティ計画を作成することも求めているところでございます。これに加えまして、先般、事業者自身がセキュリティー対策を継続的に改善していくということを促すべく、原子力施設情報システムセキュリティ対策ガイドラインを作成したところでございます。事業者が行う防護措置の内容や体制の有効性について、原子力規制委員会といたしまして、原子炉等規制法に基づき定期的に検査し、確認をしていきたいというふうに考えてございます。

○末松委員 そういうことで、体制もきちんと整ってやってきているというのはよくわかったんですけれども。  ちょっと、これは別に突然の質問というわけじゃないんですが、その議論の延長なんですけれども、「スノーデン」とかそういうのを見たときに、映画見られましたか、見たときに、実際に原発のところにそういうウイルスとかマルウエアが仕組まれていたのかどうか、こういうのは確認されましたか。

○片山政府参考人 原子力発電所の情報システムというもののセキュリティー対策というのは事業者が一義的に行うというのが事業者の務めでございます。みずからの情報システムというのが今どういう状況にあるのか、セキュリティー上のチェックというものを日常的に行うというのは、事業者が責任を持って行っているというふうに理解をしております。

○末松委員 できましたら、ちょっとこの御報告をいただければありがたいと思いますので、よろしくお願いします。  それでは、次の質問に移ります。

原発に特化する問題ではない。

 

おまけ<のらりくらり岸田>

第185回国会参議院 外交防衛委員会第3号平成25年(2013年)11月7日

何を聞いても

国務大臣岸田文雄君) 内容につきましては、ちょっとここで申し上げるわけにはいきませんが、そういったこの問題の重要性に鑑みて、実態を把握するべく意思疎通を積み重ねている、こういったことでございます。(くりかえす)

 

<結論>左翼が「保守安倍政策」を批判するためだけのスノーデン疑惑という扱いになったのが残念です。為政者が、特定秘密保護法共謀罪などから身を守りたい左翼vs東京五輪を安全に行うためには必要な措置という対立軸に持っていったということでしょう。

スノーデンにインタビューした日本人記者の本も見ましたが、せっかくインタビューしても、GHQ史観そのものである「慰安婦」や「女性国際戦犯法廷」に結構な紙幅を費やせば、「欧米の植民地政策がどれだけアジアの女性に過酷だったか知ってますか」「そんな植民地からアジア諸国を解放したのは紛れもなく大東亜戦争を戦った日本ですよ」と、もう続きは読みたくなくなります。

正しい歴史認識という軸をしっかり持った親日派、保守派が、スノーデンにインフラマルウィルスの駆除方法も含めてインタビューし、国会では保守系議員が政府を猛追及しなければいけなかったのです。

真正保守ならば、大量監視の狙いが左翼封じではなく、全体主義を完成させることに気付くべきだったのです。