陽謀日記

陽謀を明かします

子宮頸がんワクチン?推進派に対して、国会答弁から反論する

HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの積極勧奨が来年4月から再開されることになった。

HPVワクチンへの反対の声は極めて小さいが、HPVワクチンを子宮頸がんワクチンと呼び、予防接種とする意味はないこと、子宮頸がん予防にはビッグファーマや医師は儲からないが、まず性教育であることを強調したい。

私は医師でも何もないが、製薬会社との利害関係が一切ない。素人の素朴な疑問から、たどり着いた著書や国会議事録を抜粋し、利害関係のある人たちに明確に反対を表明したい。

HPVワクチンは子宮頸がんの予防効果を期待して2013年から、小6から高校1年生までに相当する女子に定期接種されている。しかし、導入初年度に重い副反応が問題となり、「中学入学お祝いワクチン」といった自治体からのお知らせなど積極勧奨が控えられてきたため、わが国の接種率は1%を切っている。「欧米と日本とのワクチンギャップ」を憂慮するビッグファーマや専門医の熱意によって、厚労省の専門部会でスピード承認に至った。

ツイッターでHPVワクチンへの疑問を呈する投稿は極めて少ない。

一方、「副反応を過剰に報道したメディアのせいで、接種率は大きく落ち込み、子宮頸がんによって子宮を失うことや命を失うことを防げなかった」といった投稿や記事が圧倒的な量になっている。

夕刊フジ11月21日付で村中璃子医師が「『子宮頸がんワクチン』妨げたメディアの罪」という緊急寄稿をしている。

推進の根拠とするデータ的なものは、「子宮頸がんの罹患と死亡は20代から40代の妊娠出産年齢の女性をピークに日本だけで増え、少子化問題の隠れた原因としても影を落とした」くらいだ。つまり、HPVワクチンの接種率が低いから、子宮頸がんが日本の若い女性で増えたのだ、という主張だ。

HPVワクチン=子宮頸がんワクチンが前提になるが、果たしてそうか。

近藤誠医師は著書「ワクチン副作用の恐怖」の中で「HPVウイルスワクチンが浸潤した問題となる子宮頸がんを予防したケースは世界に1例もない」と述べる。近藤氏がHPVワクチンを称して「子宮頸がんワクチン?」とクエスチョンマークを付ける所以である。

 

国会答弁でもこれに近い表現が政府からなされている。

2013年3月28日 第183回国会参議院厚生労働委員会

福島みずほ参議院議員

サーバリックスが前がん状態を減らしたデータはあるということですが、本物の子宮頸がんを減らしたという実績はあるんでしょうか」

政府参考人・矢島鉄厚労省健康局長

「前がん状態についてまでは減らすということですが、御指摘のように、最終的に子宮頸がんを減らしたというエビデンスについてはございません

 

国会議論から抜粋するとHPVから子宮頸がんに進展するメカニズムはこうである。

 

2012年6月14日第180回国会参議院内閣委員会

山谷えり子参議院議員

サーバリックスは、ヒトパピローマウイルスという子宮頸がんに移行するウイルス、百種類ぐらいあるんですが、16型と18型に効くだけです。今度認めるガーダシル、6型、11型、16型、18型。ところが、日本人に多いのは52型、58型。おかしいじゃないですか、行政として」

サーバリックス、ガーダシルともに認可されたHPVワクチン

 

2013年3月28日第183回国会参議院厚生労働委員会

▽はたともこ参議院議員

「HPVワクチンについては、我が国では欧米に比較してワクチンで予防できるウイルスの型、16型、18型を持つ者の割合が低く、ワクチンの有効性の持続期間も明らかではありません。HPVワクチンで予防の可能性のあるのは、女性千人のうち〇・〇四人、すなわち〇・〇〇四%にしかすぎず、たとえHPVに感染しても九九・九%以上は子宮頸がんにはならないという試算もございます。HPVは、たとえ感染したとしても九〇%以上は自然排出されます。むしろ定期的な検診により、持続感染や前がん病変の初期段階である軽度異形成を発見することが重要です。軽度異形成の九〇%は自然治癒しますので、残りの一〇%について経過観察の上、中等度、高度異形成への進展の段階で治療を行うことで大部分が治癒します。(中略)

性的活動を行う女性の五〇%以上が生涯で一度はHPVに感染すると推定されているということでよろしいですか」

▽政府参考人・矢島鉄厚労省健康局長

「御指摘のとおり、国立感染症研究所が作成しましたファクトシートの中で、海外における状況を調べましたところ、御指摘の場合には、女性の五〇%以上が一生涯に一度はHPVに感染すると推定されているという記述がございます。

▽はたともこ参議院議員

「HPVに感染しても、九〇%以上は自然排出されるということでよろしいですか」

▽政府参考人・矢島鉄厚労省健康局長

「御指摘のとおりでございまして、これは米国における三年間にわたる調査でのデータでございますけれども、九〇%が二年以内に検出されなくなったという報告がされております」

▽はたともこ参議院議員

「HPVに感染しても九〇%以上が自然排出する。残りの一〇%のうち、持続感染し、前がん病変の初期段階である軽度異形成になったとしても、そのうちの九〇%は自然治癒するということでよろしいですか。

▽矢島鉄厚労省健康局長

「今の御指摘の数値は、イギリスの医学雑誌ランセットによる二〇〇四年の十一月のデータによりますと、若い女性の軽度異形成の九〇%が三年以内に消失するという報告がございます」

 

議員が勝手に言っているわけではない。太字下線は当時の厚労省健康局長が海外の論文などをもとに国会答弁しているのである。

 

厚労省の専門家がHPVは女性の半分近くは感染せず、感染しても大半が自然排出され、前がん状態の大半も自然治癒することを国会の場で認めているのだ。

 

積極勧奨見合わせの間に、9種類のHPVを対象にした9価ワクチンもできているが、自然排出や自然治癒を否定する材料にはならない。

HPVワクチンがHPVの一部に一定期間効くのは事実だろうが、効こうが効こうまいが、その前に問題は大半の人で解決している。だから、対象年齢の女性全員に打つ意味は見いだせない。大多数がウイルスを自然排出し、残りも良性しゅようのような前がん状態になってもの大多数が自然治癒しているのに、一斉に打つなど非科学的すぎる。

漏れる人を助けるには、ハイリスクの人を中心に定期検診し、早期治療すればいいのではないか。

 

「若くて奔放な性」というハイリスクの種をまいたのは?

子宮頸がんを減らすために何をすべきか。モラルある性教育だ。

 

2012年4月17日第180回国会参議院内閣委員会

山谷えり子参議院議員

「2010年8月20日菅内閣のときです。私は質問主意書を出しております。(中略)子宮頸がん、若い人になぜ近年急に増えたんですか、子宮頸がんが、そして予防ワクチンはどの程度効くんですか、安全性、有効性のデータは十分ですかというような質問をいたしました。政府が答えたのはこういうふうだったんです。性交渉開始時期の低年齢化等の影響があるものと考えている。そして、国立がん研究センターがん対策情報センターのホームページにもこう書いてありました。子宮頸がんリスクの要因は低年齢での初交、つまり十代前半とかローティーン、ミドルティーン、複数の人とセックスする、性的パートナーが多い、そして他の性行為感染症とのかかわりというようなことなんです」

 

2012年6月14日第180回国会参議院内閣委員会

山谷えり子参議院議員

「低年齢で性交渉をする、そして複数のパートナーがいる、これが一番の原因なんです。そして、日本人には極めて限定的にしか効かないワクチンであるということと、長期のフォローアップデータがまだないというワクチンなんです。そのことを文科省は教育としてきちんと伝達すべきではないですか」

 

山谷えり子参議院議員

「九年ちょっと前ですか、『ラブ&ボディBOOK』という、ピルの製薬会社からお金を集めて厚生労働省の外郭団体が『ラブ&ボディBOOK』という小冊子を作ったんですね。中学三年生、全国の全員、百三十万人分印刷して配り始めていたんです。

 そのとき私は、文科委員会で遠山敦子文科大臣に不適切じゃないかと。ピルは世界のみんなが使っているよ、女の子だけで避妊できるのが最大のメリットだと、面白おかしく漫画で、イラストですね、もうゲーム感覚。遠山大臣は、子供に対してこの表現は不適切だと。WHOでは飲まないようにと、十八歳以下はですね。そのピルをお勧めするように入手方法まで書いて、中学三年生の全国の全員に厚労省は配ろうとしたんですよ。厚生労働大臣は見て見ぬふりしましたよ、そのとき。

 ですから、この子宮頸がんワクチンだって同じなんです。十三歳、セクシュアルデビューなんという漫画本を作って、今子供たちにもうばんばん漫画本は配るわ、インターネットでキティちゃんのマーク使ってやるんですよ。文科省は、子供の心と体、発達状況をもっときちんと厚労省に、おかしいじゃないか、そのやり方はということを私は発言すべきだと思いますよ。

遠山敦子大臣は私の質問に答えて、これ回収すべきだと言ったんですよ。ところが、厚労省は、これはうちが作ったものだから文科大臣には権限ないと言ったんですよ。それで、その本がいいと思うおかしな先生たちは学校の外の校門で配っていたんですよ。非常におかしなことが九年半前。そして、あの時代にコンドームのはめっこ教育とか、ひどい教育が物すごく行われたんです。そこで、子供たちはゲーム感覚で、もちろん出会い系サイトとか、ひどい情報のいろんなツールもありました。そこで、初交年齢がぐっと下がって、複数化、パートナーの複数化が起きたんです。そして、潜伏期間を経て、今十年後、二十代の子宮頸がんの急増になっているわけですね。そういう長い目で原因、結果をきちんと見ていただきたいと思います」