「えっ、日銀にレノボのパソコンがずらり!?」~日銀大阪支店見学記
日本銀行大阪支店を見学してきました。お札(日銀券)について知らないことが多いですね。見たこと、気付いたことを書き留めたいと思います。
某日午後、大阪市北区中之島の大阪支店を訪れました。大阪市役所のすぐそばにあります。
1日2回の見学があり当日午後の部は参加9人。若い人もいましたが、私も含めて全体的に年齢は高めです。
手消毒し体温を測って、身分証を示します。空港さながらの金属探知機を通ります。広めの部屋に移り、ロッカーに上着やカバンを納めて、DVDを18分見ます。
日銀の歴史として、明治15年(1882年)に開業。「西南戦争(明治10年=1877年)後のインフレを踏まえ、お金の価値を安定させる目的で」設立されたと言います。
※不換紙幣の増発によるインフレのあと、緊縮財政による松方デフレがあったそうです。
海外にも7つの事業所がありますが、アメリカにはニューヨークとワシントンに、中国には北京と香港にあります。そのほかはロンドン、フランクフルト、パリ。<米2か所、中2か所>に日本の置かれている現状を見るようです。
日銀券というからには、日銀でお札を印刷しているのかと思いきや、印刷しているのは独立行政法人国立印刷局です。
※同ホームページによると、財務省が数量を決定し、日銀との契約に基づいて納品されるそうですから、お札にかかるコストについて聞いてみたいと思います。
日銀に口座が持てるのは金融機関と政府だけです。
A銀行からB銀行に振り込むという銀行間のみの取引と思っていましたが、この送金は日銀が仲介しているとのこと。1日100兆円が行き来するそうです。
DVDの締めくくりは、4月退任する黒田総裁が「日銀の仕事は物価と金融システムの安定が重要」とあいさつしていました。
一般向けには、きれいなお札にし続けるための取り組みや偽造防止のさまざまな技術、デフレのみを心配する(※インフレはあまり心配しない)というタッチのつくりだったと感じました。
その後、財布とカメラ・スマホだけ持って慌ただしく新館、休館を見学します。銀行向けにいくつも並ぶ窓口の一角(紙の文字をデジタル化する部門のような話でした)で説明を受けている際、目に留まったのは「レノボ製パソコン」です。
中国資本(つまりは中国政府の影響下)であり、「レノボ製にはバックドアがある」といううわさもあります。
同社ロゴ入りのパソコンが10台近くあったでしょうか。日銀が国55%出資の株式会社というなら、半官半民の政府機関のようなもの。個人購入でもためらうのに安全性は大丈夫なのでしょうか。この点も尋ねてみたいと思います。
歴史的建造物としての紹介が主なようでしたが、資料室でブラックライトを当てる装置が置いてあり、実際に1万円札をかざしました。表面にはなんと「総裁之印」が発光します。当てずともはっきりわかりますので、すかしの左下にある赤い印字を見てみてください。裏面の右下には「発券局長」の印字があります。意外に気付かないものですね。
※米ドル(連邦準備銀行券)は、時の財務長官のサインが表に印刷されています。今ならば、元FRB(連邦準備制度理事会)議長のジャネット・イエレン財務長官のサインが入っています。
以上が日銀大阪支店見学記です。
上記2点の疑問点のほかにも現代貨幣の本質的なことを知りたく、見学担当者に尋ねましたが、東京の本店に改めて問い合わせることにします。回答が得られたら、お知らせしたいと思います。