陽謀日記

陽謀を明かします

《動機はひとつとは限らない》 安倍元首相暗殺事件の真相を究明せよ後編~ハライター原の名著紹介「グロムイコ回想録」など

安倍元首相暗殺事件が真相究明からどんどん遠ざかっている現状を憂い、示唆を与えてくれる名著名作を紹介しています。安倍元首相暗殺事件の真相を究明せよ後編は動機について考えます。

 

前編では映画「JFK」で、三方向交差射撃による複数犯説を紹介しました。動機については、映画冒頭で使ったアイゼンハワー大統領による軍産複合体を危険視する演説と、地方検事のセリフにある通り「ベトナム撤退の約束はほごにされた。戦争は最大の商売だ」と語っていることから、ベトナム戦争など戦争ビジネスからの撤退や縮小をよしとしない勢力を示唆しています。

意外な真犯人説を唱える同書



鈴木啓功氏著の「地球支配階級が仕掛けた悪魔の世界戦争ビジネス」(2011年学研パブリッシング発行)は、ケネディ暗殺理由として、「暗殺される5か月前(1963年6月4日)、ケネディは『大統領令11110号』を発令した。これは政府紙幣の発行を財務省に命じるものだった。(中略)米国のドル紙幣は米国中央銀行FRB(欧州ロスチャイルド家に代表されるユダヤ国際金融資本家が所有する民間銀行)が発行している。(中略)ケネディはドルの発行権を政府に取り戻そうとしたのである。それで彼は暗殺された。大統領令も白紙に戻された」。

補足すると、FRB連邦制度準備理事会は全米12の連邦準備銀行で構成され、表向きは「FRBは誰の持ち物でもない」ですが、筆頭は紛れもなくニューヨーク連邦準備銀行です。リーマンショックで保険会社AIGを救済貸付したのはニューヨーク連銀です。その株主が名だたる内外の国際金融資本家やその銀行であることはニューヨークタイムズに掲載されたことです。

通貨発行権へのケネディの挑戦が暗殺理由とする人は細い支流の中では主流と言えます。

「有名なところでは『マフィアとの関係』『軍産複合体との関係』『マリリン・モンローをはじめとする愛人問題』などだ。だがそれらは全部真犯人(米国中央銀行FRB)を隠すための煙幕だ」(同書)と言い切っていますが、理由はひとつと思えません。ただ、いち早く流れる理由には、何らかの意図があり、煙幕と言えるでしょう。

同書は意外な真犯人説も唱えていますので、興味のある方は図書館で借りてください。

以下のような内容です。

<「だがここで一点だけ。ケネディを実際に狙撃したのはだれなのか。映像を見るとケネディは、明らかに前方から頭部を撃ち抜かれている。頭部が後ろに向かってのけぞっているからだ。だがFBIは、クルマの斜め後方に位置していた教科書会社倉庫を捜査した。そのためFBIの捜査は、最初からデタラメだったといわれている。それは正しい。」

「しかし、映像通り前方から狙撃したとするとかなり遠距離から狙ったはずで、狙撃手はかなりの腕前の持ち主ということになる。実はケネディを狙撃したのは、目の前にいた運転手なのである。運転手はケネディのすぐ前にいた。彼は拳銃を左手に持ち、右肩越しに狙撃したのだ。驚いた妻ジャクリーンは、それで後部トランクに逃げようとしたのである。」>

※ザプルーダー・フィルムでは頭部狙撃の際ケネディの頭部はジャクリーン側左後ろにのけぞっていますから、左ハンドルの運転手から右肩越しの左手の狙撃はちょっと難しいように思えます。フィルムにも運転手の犯行を示すものはありません。

 

安倍元首相も在任中のグローバル政策から最近は距離を置いて、「靖国参拝」「日銀は政府の子会社」「核シェアリング」「原発再稼働」など安全保障強化、積極財政の旗振り役でした。

護るべき国体を政教分離に反すると決めつける戦後レジーム支持勢力も考えられますし、今年11月の米中間選挙での共和党躍進、トランプ復活をよしとしない勢力にとっても、信頼関係の深い安倍元首相の復活は目障りだったかもしれません。「日銀は政府の子会社」は、<神聖不可侵な通貨発行権>への挑戦と受け取れなくもありません。現政権はそれを否定し、税金プール論で緊縮財政を推し進めているわけですから。

 

近代史研究家林千勝さん流に言えば、<一挙七得>のような、暗殺の理由がいくつもあることを想定しなければなりません。逆恨みの動機を持つ単独犯説で突っ走って得をするのは誰かということです。「旧統一教会信者家族の逆恨み」一色の報道には敗戦利得メディアの意図しか感じられません。

対ソ穀物輸出?

米ソは表立って仲良くしてはいけない?




以前取り上げた「ロックフェラー帝国の陰謀パート1」(自由国民社1984年発行)では、ケネディ暗殺事件について「キッシンジャーの登場以来、明らかに最終ラウンドに突入したロックフェラー・インサイダー・グループの攻勢は、すでに一九六三年十一月のケネディ暗殺と、それに続くジョンソン大統領の対ソ穀物輸出の承認によって具体的な成果を挙げはじめていた」として、ケネディの対ソ穀物輸出への消極性を取り除くことが「ロックフェラー一族と彼らの支配する穀物メジャー」の利益につながったことを示唆しています。

同書パート2(1986年発行)の付録には、フランク・A・カペル著「ソビエト代理人Hキッシンジャー」がありまして「国務長官時代、保安上の危険人物を高い地位に就けた。そのひとりボリス・グロッソンはオズワルドが米国の市民権を放棄した後、ソ連から米国に帰る許可が与えられたときの責任者」「クロッソンはオズワルドの共産主義に対する”幻滅”に関するでっちあげの報告を書き、そのうえ、オズワルドとその共産主義者の妻がアメリカに帰る金を用意した。しばらく後に、オズワルドはケネディ大統領を暗殺したのである」。

また、「対ソ穀物輸出で億万長者になったのがキッシンジャーの弟のウォルターである」との記述もあります。

米ソ冷戦を演出するために密かなソ連援助は隠さなければならなかったことのひとつです。

ケネディの敵について通訳なしで会話していたグロムイコ元ソ連外相

ソ連の外相を長く務めたアンドレイ・グロムイコの回想録(1989年読売新聞社発行)もケネディの憂いについて書いています。「暗殺の2か月前ホワイトハウスで通訳なしで話した」。ケネディは「実を言うと、米ソ両国が緊密な関係になるのを必ずしも喜ばない二種類のグループがあって、一つはいつの世にもいる不満分子、もう一方は『特定の民族の人々』」と書き、その人々をグロムイコは注釈で「ユダヤロビーのことを指す」とし、タス通信で暗殺の報道を知ったときに、「自分の政策に反対する者がいる」という会話を思い出したと述べています。

 

真相はどこにあるのかいくつあるのか。暗殺方法の真相にふたをされた、歴史の深層を知らない者に暗殺動機の真相に迫れるはずもありません。

 

3Dプリンターで金属探知機を通る銃身、弾丸がつくれる時代です。

真相究明に向かっていない現状と、9月27日の国葬で来日する海外要人の安全が気になります。反グローバリストの来日が困難になるのを朗報にさえ思うほどです。

「岸田の覚醒」と言われる”決断”がどうにも引っかかっています。