日銀のレノボ製パソコンは安全だそうです~日銀見学後記2
2月7日、日本銀行大阪支店を見学後、東京本店にも質問していた結果をご報告します。
見学時に見た光景について質問していました。
質問内容「レノボ製のパソコンが大阪支店に10台近くありました。同社製は中国政府の影響下にあって、アメリカでは政府機関に不向きとされ、同社製にはバックドアがあるとのうわさも根強くあり、個人購入でさえためらいます。情報流出の危険性についていかがお考えでしょうか?」
これに対して、「個別金融機関の情報管理については、当該金融機関にお尋ねください」という返答が一旦あり、
「一市中銀行で見かけたものではなく、日銀の支店の話です」と再度質問したものです。
それで回答は、「日本銀行内で利用するパソコンを含む機器につきましては、情報セキュリティの観点も含め、所要の措置を講じております」とのこと。
わざわざ所要の措置を講じなければならないのも非効率とは思いますが、今や純日本製と言えるパソコンが少ないのも事実かもしれません。この点は、ひとりひとりが肝に銘じておくべきことでしょう。
読書中の本「日銀発金融危機」(志賀櫻著、2013年朝日新聞出版発行)に面白いエピソードが載っていました。志賀さんは元東京税関長。4月に任期満了となる黒田東彦総裁の4年後輩にあたる大蔵省OBです。4回も勤務を共にしています。
私も新聞社に勤めていましたので、圧倒的な知識量で勝る取材先と互角に渡り合う難しさを痛感していました。
同書からの引用です。
<ある女性記者がお台場の東京税関長室を尋ねてきた。「志賀さん、記者会見のときに黒田財務官に、『新聞記者は、為替政策については、政府が発表したことをそのまま書いて読者に伝達すればよいのであって、内容についてあれこれ解釈したり論評したりすることは不要である』と言われた。財研(財務省記者クラブ)のみんなで財務官発言の真意を議論したのだがどうもよく分からない。志賀さんなら解説してくれるのではないかと思ってやってきた」と言う。>
志賀氏は「黒田財務官はものすごく失礼なことを言っているのである。怒らなければ駄目じゃないか」と解説したと続きます。
黒田氏が日銀総裁前の発言ですが、いくら頼りない記者であっても、その先にはわかりやすくあれこれと説明すべき国民がいます。
記者だけでなく、国民に対しても、「由(よ)らしむべし知らしむべからず=論語泰伯編より、民衆は為政者に従わせればよく、施政の詳細を説明する必要はない」という姿勢の人物ではないか、という疑念を抱きました。
黒田日銀の「異次元の金融緩和」の10年が、<あれこれ解釈したり論評したり>がなかったのではないかという思いを強く持っています。