国守衆兵庫chも更新! 北海道の大停電を見ても日本が一人負けするだけの脱炭素を進めたいのか?~ハライター原の名著紹介「SDGsの不都合な真実」後編
「SDGsの不都合な真実」を前後編で紹介しています。今回は後編です。
紋別市など北海道の道東では低気圧による大雪の影響で大規模な停電が発生しました。
「SDGsの不都合な真実 『脱炭素』が世界を救うの大嘘」
編著=杉山大志 著=川口マーン恵美+掛谷英紀+有馬純ほか 宝島社発行、2021年第1刷
国守衆兵庫チャンネルで動画を更新しました。ぜひご覧ください。
北海道電力のHPによると、12月22日から25日までにのべ13万4440戸が停電しました。北電ではもちろん原発は稼働していません(※稼働しているのは関電、九電のみです)。
ロシアのウクライナ侵攻以来、電気代はどんどん上がるのに老朽化した火力電力にしか頼れない現状が突き付けられました。
北陸ではやはり大雪による車の立ち往生もありました。
ガソリン車のようにエンジンの排熱を利用できない電気自動車は、駆動用のバッテリーをわざわざ使用しないと暖房できません。
寒冷地での原発稼働停止や雪に弱いEV車が死活問題になることがはっきりしましたが、そういった指摘は大手紙、地上波テレビではされません。雪という側面から見ても日本で脱炭素に前のめりになることなどありえないのです。
本題の名著紹介に戻ります。
本書の執筆陣は「サステイナブルなビジネス」「屋根の上のジェノサイド」などたとえがうまく、端的に本質をとらえています。
いかに、政治家が亡国の大ウソをついてきたか、科学オンチか、著名な科学者が大ウソを糊塗(こと)するための策を弄してきたか、具体的な名前もたくさん出てきます。
今回も筆者別に印象的な記述を紹介していきます。
有馬純・東京大学公共政策大学院特任教授
小見出し「日本の一人負けに終わった京都議定書交渉」として、アル・ゴアの腹黒い日本への仕掛けを教えてくれます。
米国代表団を率いていたアル・ゴア副大統領(当時)は、上院(※条約の批准権限を有している。京都議定書採択の数か月前、「途上国が先進国と同等の義務を負わない条約には加盟しない」との決議を全会一致で採択)で
決して批准されることのない京都議定書に署名したことになる。
その一方で、ゴアは「京都会議を成功させるためには議長国として、もっと野心的な目標が必要だ」として、1990年比0.5%程度の目標だったのに議長国日本は6%減という義務を負う羽目になった。
京都議定書交渉は日本の外交的敗北。EUは寝転がっても達成できる8%目標(※削減の基準年が緩ければ、達成するのはたやすい)、米国は逃げ、日本は6%減目標達成(すでに最もエネルギー効率が高い国だった)
のため、海外から1兆円を超えるCO²排出削減クレジットを購入することになった。日本の排出削減クレジットの市場として潤ったのが英国のロンドン。
「環境活動家はスイカである」→外側は緑だが、中は赤い
「環境にやさしい」という主張は「これは科学によって裏付けられている」との印籠とともにやってくる。
起源について生命科学者が科学的真理よりも党派性(民主党)を優先した。環境科学においても同じ傾向がある。
研究分野が一つに限定されている人ほどウソをよくつくという傾向がある。
※流行病の起源について詳細な科学者同士のやり取りが書かれていますので、ぜひ本書をお読みください。
※流行病の研究所起源説は一見環境問題と関係がないようですが、小見出しにもある通り<科学的真理が最優先ではない現代の科学者たち>という警鐘は、科学者が政治活動家にもなることを示し、それは環境問題でも同じであることを教えてくれます。
※なお、本ブログ後段で動画ではバンされる研究所起源説の詳細を一部お知らせします。
ガソリン車の販売を閉じることは日本経済を直撃し雇用に影響する。EV車になれば、内燃機関とトランスミッションが、バッテリーとモーターに変わる。中国製のバッテリー頼みになると、日本の自動車産業は中国にその心臓部を牛耳られる。
※日本のお家芸と言える内燃機関を捨てる意味を政治家は理解していないのか、わかってやっているのかわかりませんが、明らかに中国を高め、日本を落とす行為です。
二酸化炭素の削減は、主には中国の課題である。日本の製造業はすでに世界一環境にやさしい。世界の二酸化炭素排出量の3割は中国で続いて米国、ぐっと水を開けてインド、ロシア、日本と続く。日本の排出量は世界のわずか3%であるが、中国は2025年までに現在の排出量を10%増やす計画で、増やす分が日本の年間排出量に匹敵する。つまるところ、中国が協力をしなければこの問題は解決できない。
中国は途上国のリーダーであると自認し、「途上国は経済開発の権利がある」とする。
日本の電力は世界一高い。日本の産業用電力価格はドイツの3倍。(略)
ただでさえ高い電力料金がさらに上がれば、日本の産業はコストを下げるために日本をあとにしなければならない。出ていく先は、環境にやさしくなく、電力料金の安い中国である。
中国へのODAは1979年以降40年間で3兆6500億円あまりが拠出された。
松田智・元静岡大学工学部教員
水の電気分解で水素を製造すると高くつくので、商業ベースで実用された例はない。
菅義偉首相が就任直後の演説で「無尽蔵にある水素を新たな電源として位置づけ、大規模で低コストの水素製造装置を実現します」と表明。
しかし、この言葉、意味が不明瞭で種々の問題を抱えている。
※水に含まれる水素を指すらしいが、高コストで実用化できないのは上記の通り。大規模で低コストにはなりえない。政治家の科学への不見識を示しています。
前編でも切れ味鋭かった素材メーカー環境・CSR担当の藤枝一也さん、再度の登場です。
日本が出してもいない海洋プラスチック投棄問題に目を向けてもらうためにビニール袋を有料化したという小泉進次郎。これはグリーンウオッシュ(※環境に配慮したと、ごかますこと)の好例。
海洋プラスチック投棄問題はペットボトル等の中韓漁船団による海洋大量投棄。※日本は投棄しておらず、問題のすり替えどころか、故意に貶める反日行為。
<参考>
掛谷英紀氏
(研究者間の電子メールのやりとりから、ファウチがウイルスは天然由来とするよう圧力をかける経過を詳細につづったうえで)なぜファウチは圧力をかけてまで新型コロナウイルス研究所起源説を打ち消す必要があったのか。それは危険な研究であるとの非難を浴びても機能獲得研究を擁護し続け、武漢研究所の資金源となったエコヘルス・アライアンスにNIH(アメリカ国立衛生研究所)の資金を流す決定をしていた中心人物が、ファウチ自身だったからである。
天体物理学を専門とするカリフォルニア大学バークレー校のリチャード・ムラー名誉教授は流行病の起源に興味を持ち、協力者を求めたが、断られた。その理由は「中国の研究者と共同研究できなくなる」「研究所起源説はトランプの言っていることと同じ。トランプが大統領選に勝ってしまうことに協力できるわけがない」
もし、流行病の起源が研究所の事故による流出だとすれば、科学研究により世界で400万人以上の命が奪われたことになる。
脱炭素も流行病の起源説も民主党主導の極めて党派性が強い実態が伝わってきました。
バイデン民主党政権に寄り掛かる日本の大手紙、地上波テレビがウソをつく理由がここにあります。真実であろうとなかろうと、親分に都合の悪いことは言えないのです。
真実は良書の中です。みなさん、年末年始に読書しましょう。