国守衆兵庫ch動画更新!<核保有せよ>~ハライター原の名著紹介「村田良平回想録」
「村田良平回想録上巻下巻」
2008年9月第1刷 ミネルヴァ書房発行
新年あけましておめでとうございます。ハライター原です。本年もよろしくお願いいたします。新年最初の名著紹介です。
新日本文化チャンネル桜の番組・伊藤貫さんの「真剣な雑談」でアメリカが日本に押し付けた三つの巨大なウソの回の中で紹介された外務省事務次官経験者の絶版本をぜひ読みたいと思い、兵庫県内の図書館で借りました。
サブタイトルに「祖国の再生を次世代に託して」と題した下巻を中心に紹介します。(※ちなみに上巻のサブタイトルは、戦いに敗れし国に仕えて、です)。
河野洋平や小泉純一郎らへの批判はおもしろいのですが、長くなりますので河野洋平だけにします。彼の人柄がよくわかります。
河野洋平元外相について「1994年11月22日退官の際、大使3名が待っていた大臣室の接見室で河野洋平大臣は二言三言もごもご述べて辞令を渡すと急ぎ足で大臣室へ戻った。「四〇年以上国のために働いた三名に対して、せめて五分間でも坐を奨めて、ねぎらいの言葉はあってしかるべきではなかったか。私は随分失礼な大臣もいるものだと思った」
ほかの政治家批判は、ぜひ図書館で借りてお読みください。
国守衆兵庫チャンネルで動画を更新しました。ぜひご覧ください。
https://www.youtube.com/channel/UCKfu30RDOSk848z3h7GzhEw
格調高い本題に入ります。小見出しをこちらで付けながら、外務省事務方の元トップの直言を紹介します。占領軍押し付け憲法を屈辱と感じる国民には勇気を与えてくれますので、新年最初の名著紹介にふさわしいと思います。
<憲法のウソ>
「私の四二年余の外務省勤務は概ね順調に進んだと見えるだろう。しかし、内心においては三つのものと「葛藤」の日々であった」
憲法と政府の公式解釈への内心の反抗、抵抗として
「出自を憤り、前文、九条第二項等を戦勝者による敗戦国への押しつけとして憎悪しつづけた」と最大限の悪感情をあらわにしています。
「憤りは主として二つ―外国人によって外国語で起草されたものの翻訳であり、微修正以外は許されなかったという明白な事実ともう一つは、前文と九条二項」「九六条の手続きなどどうでもよく、無視して、日本人の手で妥当な手続きを採択すればよい」
「私は五月三日の憲法記念日を心から祝福する国民は皆無であると断定する」
「独立国の自衛権という当然の日本の国家としての権利も認めないのが、最初に占領を開始した際のマッカーサーの意図であったが、流石に理論上も現実政治上も完全非武装ということはおかしいとマッカーサーも認めて、草案に『自衛のための戦争も放棄する』というくだりがあったのを事前にケーディス(第9条の起案者)に削除させたのだ。といって、何人もこの芦田修正により、日本が自衛のための戦力を保有しうると進んで述べもしなかった。(略)九条二項の規定と現実との矛盾に無理に整合性を与えるため、過去六〇年余、政府はこと防衛については、国民に嘘をつき続けた」
マッカーサー評として「稀代の虚妄の固まりとも言うべき人物」とありました。
「一月二四日の幣原・マッカーサー会談で、(略)真相は何人も知らないままとなったが、(略)天皇の地位を保全する代わり、日本は戦争を放棄すべしとし、幣原首相がこれをやむなしとしたとの筋書きしか考えられない」
「憲法の成立過程を国民に示して、現行憲法の無効宣言を発し、国民の祝日たる五月三日の『憲法の日』を廃止することからことを始めるべき」
<日米安保のウソ>
「一九五二年発行の旧安保条約は占領目的で押さえていた日本国内の諸基地のうちこれはというものをそのまま保持することを合法化する目的でのみ締結されたもの」
「米国は日本の国土を利用させてもらっており、いわばその片手間に日本の防衛も手伝うというのが安保条約の真の姿である以上、日本が世界最高額の米軍経費を持たねばならない義務など本来ない」
「現状のままずるずる物事が進めば、日本は、人(自衛隊)と財(資金)的貢献の双方で米国の要求への従属性が一層高まるだけとなるだろう。(略)自国の安全と生存のため、自尊心と独立心を失うことは、奴隷根性であるとすべての日本人が認識してほしい」
<日米の経済関係のウソ>
「日本の国際収支上の黒字の大部分は米国国債の大量保有へ形をかえているが、何時までこの姿を続けるのか」
橋本・クリントン―規制撤廃および競争政策に関する日米間の強化されたイニシャティヴ
「八〇年代、私の駐米大使時代まで日本の五〇〇億ドル程度の対米黒字に対し、米国は居丈高に、報復措置をとるとの脅迫で、日本側に譲歩を迫った。ところが現在の中国は日本の対米黒字の数倍で、知的所有権保護のでたらめさは全世界の批判の的であるのに、かつての対日姿勢よりはるかに融和的」
<NPTの真の目的>
「核不拡散条約(NPT)という不平等条約がそもそも締結された際は、七割方の目的は日本とドイツの二国の核武装の途を閉ざすことにあった」
※岸田首相は日本封じ込め政策を推進しています。
<核保有せよ>
「私は、日本が英国あるいはフランスと類似の、潜水艦による極めて限られた自前の核抑止力を保存するのが最も正しい途であり(中略)むしろ当面の障害は、日本国内にある情緒的な反核感情と、これを煽るマスコミ、学者の勢力であるから、日米間で腹蔵ない話合いが核についても必要な時代が到来したという平凡な事実を指摘したい」
※情緒的な感情は当時よりもさらに情緒不安定になっているように感じます。
「国際社会より前に、まず日本あり」との発想が欠かせないというのが私の考えだ。その上で友好的な関係が、できる限り多くの国々と成立することに努めるべきなのだ」
※外務省事務次官のこの言葉は重い。現外相には噛み締めてほしいことばです。
「ポツダム宣言の日本国軍隊の無条件降伏条項を平然と無視し、全面的に日本という国全体を無条件に降伏したものとして取扱った。これは実はポツダム宣言の米国による最大の違反だったのである。(中略)クラウゼヴィッツは言った。『敵の軍隊を壊滅しても、国が残れば軍隊は再建できる。敵の国を壊滅しても国民が残れば国は再建できる。しかし、国民の意志、魂を壊滅させれば、完全に敵国を壊滅できる』と。米国は六年余の占領によって正に日本国民の意志と魂を壊滅しようとし、相当の成果を挙げたと評する他ない」
※カール・フォン・クラウゼヴィッツは、ナポレオン戦争にプロイセン軍の将校として参加、彼の死後1832年に発表された『戦争論』が有名。この指摘は非常に重要です。
<公職追放20万人>
占領は「流血を伴わない戦争の継続」とも表現しています。
「広汎な公職追放令は、日本再建の柱となりうる多数の有為の人材が含まれていた(総計二〇万一八一五名)。米国軍は天皇の身柄及び地位を人質として、ポツダム宣言に根拠もないものも含む諸改革を次々と進めて行った。この改革は占領の最初の二年半が特に極端であった」
※占領軍はポツダム宣言に根拠のない占領政策を進めたわけですが、特に有為の人材を20万人も失ったことが戦後も戦争を続けていたことを示しています。村田さんは下品な言い方はしていませんので、あくまでハライター原の私見ですが、
戦後日本は公職追放後の敗戦利得者という残りかすに間接支配されてきた植民地ですね。
中国にミサイルを撃ち込まれても国家安全保障会議すら開かず、NPTに前のめりで、核保有など考えることもいけないという愚かな政治家が首相というのが我が国の現実です。15年前に上梓された本ですが、色あせない村田さんの提言を草莽が噛み締めるしかありません。