陽謀日記

陽謀を明かします

「1クリックで日本壊滅」疑惑は払しょくされたか~ハライター原のスノーデン関連名作映画紹介

映画「シチズンフォースノーデンの暴露」(ローラ・ポイトラス監督 2014年)と、

映画「スノーデン」(オリバー・ストーン監督 2017年)の2作品を紹介します。

次回以降は、日本の国会の反応や、スノーデン関連図書から日本関係分を抜粋してお送りする予定です。

 

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「同盟国でなくなった日には、彼ら(日本人)は終わり」

映画「スノーデン」でスノーデン役の俳優が2009年当時の回想とともに告白するシーンです。

核兵器は1クリックでは発射できない。サイバー攻撃の怖さがここにある

マウスクリック1回で、日本列島の灯は一斉に落ちます。アメリカの同盟国でなくなったら、インフラに感染させたマルウイルスが発症するサイバー攻撃諜報機関NSAがしたということです。このマルウイルスは駆除されたのでしょうか。そもそも陰謀論でしょうか。

映画「シチズンフォースノーデンの暴露」でも意思決定の最上流に誰がいるのか、監視リストに載る人は何人いるのか、驚くべき内部情報が示されます。これも陰謀論でしょうか。

日本は世界中で大騒ぎになった大量監視問題で取り残され、何周も遅れ訳も分からず最後尾を走っているように見えます。ほかの問題以上に。

 

両作は登場人物がほぼ同じです。本物が登場するか俳優が演じるかの違いですが、本質的には両作は実話に沿ったものだからです。突き合わせれば、この世界監視の実態がよりわかりやすくなります。ジョージ・オーウェルが1984年で描いた監視社会そのものです。

スノーデンは、911後、アメリカのNSA(国家情報局)が世界中のほとんどの通信やメールを大量に収集、監視していたという国家ぐるみの犯罪を暴露した人物です。その収集した情報の規模の大きさを示せば、1984を実感していただけると思います。コンピューターの天才スノーデンが、自ら開発段階で設計構築に関わった「ヒートマップ」というシステムが世界中からどれくらいの情報を収集しているか、赴任先のハワイオアフ島NSA工作センターで同僚に説明する場面が映画「スノーデン」に出てきます。

こう言います。「3月の世界中からデータ収集したメールやスカイプはフランス7000万件、ドイツ5億件、ブラジル20億件、アメリカは電話会社のデータ以外メールと通話31億件、ロシア15億件」

加えて、秘密裁判所の存在が恐怖そのものです。密かに令状が発行され、本人にも通知されずに拘束されるというもので、この令状のデータもスノーデンは持ち出しました。外国人なら令状すら不要です。

 

以上のような事の重大性をお話したうえで、前回の名作紹介「オリバー・ストーン オン プーチン」でもお話した、日本のインフラへのマルウイルス疑惑を深掘りします。

この件は「シチズンフォー」では扱われませんでしたが、「スノーデン」では扱われました。スノーデンの方がシチズンフォーより後の公開ですし、亡命したロシアでオリバー・ストーンが新たに聞き出せたことと想像できます。

もちろん、「オン プーチン」に出たのはスノーデンの映像の一部ですから、スノーデンの映像を詳しくたどります。

スノーデン役がポイトラス監督役に日本時代を話す場面です。

スノーデン「デルから日本に派遣されました。機密も見ました。高給だし日本で暮らしたかった(※押井守攻殻機動隊が好きだと恋人とメールでやり取りするシーンやCIAの面接で日本語も話せるというシーンが出てきます)。オバマ政権になって状況も良くなるかもと。でも違いました」

横田空軍基地2009年というシーンが挟まれ、基地内にNSA工作センターがあった(ある)ことを示唆します。

スノーデンは「最初の仕事はエピックシェルターの構築でした。NSAが日本人を感心させるために見せたのは日本国民の監視への協力依頼です。断られました。国民の監視は違法だとね。でも監視は実行した。日本の通信システムの次は物理的なインフラも乗っ取りに。ひそかにプログラムを送電網やダム、病院に。もし、日本が同盟国でなくなった日には彼らは終わり」

そして日本列島が一斉に停電するシーン。日米会談で協力を断った日本の制服組には高官と見られる人がふたりいました。

 

「オン プーチン」との違いは、「オン プーチン」は「同盟国でなくなったら(潜伏させたマルウイルスの起動で)日本は真っ暗に」と訳されましたが、「スノーデン」では「彼らは終わり」と訳されました。つまり一時的な全国的停電というレベルではなく、お先真っ暗の意味、壊滅しますよという意味合いです。

 

日本に関係する部分で言えば、スノーデンが暴露した米政府による国民大量監視の実態は事実であり、マスコミではドイツやブラジルなどでも大騒ぎになりました。その延長戦上に日本のインフラへのマルウイルス攻撃疑惑があり、その不安はまったく除去されないまま、ほとんどの国民が当時も今も無関心のままでいます。

 

シチズンフォー」からは最後の場面を取り上げます。聖ワシリイ大聖堂が窓越しに見えるモスクワのホテルで、亡命後のスノーデンとグレン・グリーンウオルド記者が筆談しています。香港の翌年、2014年のことでしょう。

グレン・グリーンウオルド記者が殴り書きする中から、

勇気ある告発者、新しい情報源と接触していて、次のような新情報がもたらされました。スノーデン自体が「信じられない」と漏らすように、日本を除く世界で大騒ぎになったのに、事態は悪化していることをうかがわせます。

・ドローン攻撃はすべてドイツの米軍基地からなされている

・意思決定の流れの最上位には米大統領がいる

・120万人が監視対象リストに載っている

国守衆兵庫チャンネル - YouTube

 

今回の名作紹介は以上です。