真の狙い
真の狙いなどと言うと、すぐに「陰謀論ダー」という声が上がる嫌な世の中です。
しかし、HPVワクチンの積極勧奨が再開され、飲む中絶薬が認可されることが決まって、製薬会社や厚労省が言う「子宮頸がんを減らすため」「産まないという女性の権利を守るため」「欧米との医療ギャップを埋める」といった理由がいかにうさんくさいかを痛感するのです。
<HPVワクチンを積極PR>
HPVワクチンは、100種類あるHPV(ヒトパピローマウイルス)のうち、発がん性があるのは15種類、さらにその1部(ワクチンの種類によって2種類から9種類)に効くに過ぎないということです。そのまま、放っておいて15種類のうちのウイルスが感染しても、がんに進行するのは極めてまれです。WHOによれば、発がん性のHPVに感染しても、進行子宮頸がんをり患する人はそのうちの0.15%。世界人口に占める割合では0.06425%。HPVに感染してもたいがいは発症に至らないとされます。WHOは一方で「子宮頸がんは撲滅できるがんとして2030年時点で女性の9割が15歳までにワクチン接種を完了する目標を掲げている」(2021年10月2日読売新聞朝刊より)。
まったくWHOは支離滅裂としか言いようがありません。
HPVワクチンが定期接種化され、副作用多発で積極勧奨が中止された2013年、厚労相の健康局長が参議院厚生労働委員会で「最終的に子宮頸がんを減らしたというエビデンスについてはございません」と答弁しています。
この答弁に尽きます。子宮頸がんワクチンという名称は全くの誇大宣伝です。
ワクチンは小児科が独占していたような利権です。産婦人科に舞い降りた利権が、HPVワクチンと言えないでしょうか。重篤な副作用に慌てて積極勧奨を控えていたのに、欧米ギャップなるものに負けないで接種が1%程度という低率で済んでいたのに、早ければ来年4月から、導入当初のような「中学入学お祝いワクチン」などという積極的なPRがなされ、接種率が一気に上がり、効果のない劇薬による副作用で苦しむ少女が生まれる悲劇が繰り返されるのでしょう。
反ワクチンは左翼的だと言う人がいますが、利権に左右されない保守なら、なにより人の命を大切にします。
そして、感染してもたいがいは発症に至らないから子宮頸がんは性感染症ではないのに、日本の臨床試験仲介会社が最近熱心に16から26歳の男性を対象にしたHPVワクチン治験参加者を募集しています。3年間10回通院で18万円の謝礼です。海外では70か国が実施しているとか。
少年青年たちにも定期接種化されれば、まさにエスキモーに氷を売るようなものです。
積極勧奨再開の理由のひとつとして、「厚労省は30歳代までに約1200人が子宮頸がん治療のために子宮を失うとしている」(2021年9月17日読売新聞朝刊)。しかし、HPVワクチンを接種したところで、子宮頸がんを減らすエビデンスはありません。推進のために恐怖を煽るだけでなく、あらかじめ子宮頸がんを若年化させた疑いすらあります。
2012年当時、HPVワクチンの問題点を追及していた山谷えり子参議院議員の参議院厚労委員会の議事録には、HPVワクチンの定期接種が始まる約10年前、「あの時代にコンドームのはめっこ教育とか、ひどい教育が物すごく行われたんです。そこで、子供たちはゲーム感覚で、もちろん出会い系サイトとか、ひどい情報のいろんなツールもありました。そこで、初交年齢がぐっと下がって、複数化、パートナーの複数化が起きたんです。そして、潜伏期間を経て、今十年後、二十代の子宮頸がんの急増になっているわけですね。そういう長い目で原因、結果をきちんと見ていただきたいと思います」と述べ、さらに「HPVワクチン導入の前段で、厚労省の外郭団体がピルのメーカーから金銭支援を受けて発行した、性デビューを早めよう、複数の相手がいてもいいでしょう、それが女性の権利です、といった小冊子が全国の中学生に配布されたこと自体、ワクチンを打つ下地づくりだったと思えてなりません」と指摘しています。
HPVの感染を防ぎたいなら正しい性教育ではありませんか。性の低年齢化というアクセルをいっぱいに踏んで、子宮頸がんワクチンなる誇大宣伝をし、せっかく中止した積極勧奨を再開しようとしている。外資を中心とした大手製薬会社はもちろん、厚労省審議会のメンバーである医師らも、真剣に子宮頸がんを減らそうなど露ほど考えていないのです。
<飲む中絶薬>
10月23日付読売新聞朝刊で「年内にも申請 『飲む中絶薬』新たな選択肢」という解説記事が出ています。年内にも人工中絶が飲み薬でできるようになるというのです。署名記者は「産むか産まないかを自分で決める権利の尊重は世界の潮流だ。日本でも機運が高まり、導入の議論を後押しした」ととてもうれしそうです。
個人的には少子化の根本原因は人工中絶にあると考えています。GHQが戦後すぐ旧優生保護法(現母体保護法)の成立を容認したことを重く見るべきです。「経済的理由で」人工中絶できるようにしたのは、日本人減らしの隠された目的があったと考えなければなりません。
人工授精の保険適用や男性の育休制度充実など付け焼刃的な政策で少子化は解決しません。すっかり医療経済システムに組み込まれた人工中絶という本丸にメスを入れなければならなかったのに、パートナーの同意を省略し、金銭負担が小さく母体に負担がかからない安易な中絶法が導入されることへの危機感を伝えるべきです。
女性自らが決定権を行使できるツールが、ピル(経口避妊薬)や飲む中絶薬なのですか。産まない権利、人工中絶を自分だけで決められる権利。WHOや大手製薬会社はそんな女性の権利を助けてくれているのでしょうか。
私には、女性の権利がいいように利用されているだけにしか見えません。戦後人工中絶を積極的に推進したのは、女性の権利向上を掲げた社会党でした。結果はどうでしょうか。底知れない少子化を生んだだけではありませんか。