うそで恐怖を煽る~印象操作の新聞記事を紹介しますⅡ
「接種会場 誰も来ない」(9月25日付読売朝刊大阪版2面)
「『ワクチンは危険』誤信」(9月25日付読売朝刊大阪版11面)
ふたつの記事はほとんどがコンゴ民主共和国の記事、閑古鳥の接種センターと規制がなくにぎわう首都キンシャサの写真で構成されています。
①コンゴが国際支援で供給されたワクチンの大半を返還したのは、接種の重要性が国民に正しく伝わっていないから
②エボラ出血熱など多くの感染症に直面するため、新型コロナは危険性を実感しづらいのかも
③首都キンシャサは規制緩和され、どの店も大にぎわい。国内の累計感染者は9月23日現在でわずか5万6463人というのが規制緩和の理由
④しかし、医療関係者は「大規模な検査は実施していないから正確な感染状況はわからない」
⑤国内のテレビやラジオは感染情報を伝えず、SNSでは接種に否定的なデマ情報であふれる
医療体制や感染状況にピンとこないアフリカ中部の国を例に、▽感染者が少ないが、検査数が少なく実態を示していないのでは▽怖い感染症があるためコロナを軽視しがちで、SNSはデマ情報にあふれ、国民は正しい情報を知らない、ということですね。国の無策でアジア一の「感染拡大国」となった日本の新聞が随分上から目線です。
米ジョンズ・ホプキンス大のデータによれば、コンゴは9月26日現在、累計感染者は5万6617人です。3日間で200人も増えていません。さらに累計死者数は1083人です。ワクチン接種についてのデータはありません。
この記事が良くないのは、死者数が最も重要なデータなのに死亡者の少なさを書いていないことです。書いてしまうと、読者が「ほとんど死亡につながっていないのに、医療関係者は何を心配しているのか」と疑いを持つからでしょう。
ワクチンをほとんど打たないのに、感染拡大もなく、死亡率も低いのは、検査が少なくて実態と違うからですか。
実はこの記事には、最も重要な情報が抜け落ちています。
それは、コンゴにはオンコセルカ症(河川盲目症)という寄生虫感染症が存在すること、この特効薬(※あえて名前は書きませんが、日本でも適応外使用は認められました。しかし、不思議なことに使用が妨害されています)が特に初期のコロナにも効く報告が、同様の寄生虫感染症の対策をしているアフリカ、南米の各国、インドから多数上がってきていることです。
遠い異国のコロナ死者数と、遠い異国の感染症と特効薬の存在を、報道しない自由を存分に発揮して、報道していないことがわかります。
しかし、本当に驚くべきは、累計感染者数を分母、累計死亡者数を分子とする死亡率です。日本の死亡率は1.03%とコンゴの1.91%よりも低いんですよ。
人口比で見れば、感染率もコンゴより少し高いくらい(日本はコンゴより人口で23倍、累計感染者で30倍)です。
ゼロコロナ信仰・お注射信仰から抜け出さない限り、誠にお粗末な記事しか生まれないでしょう。